フランス人にも置いて行かれた日本人
日本人の英語力の低さを嘆く声は多いのですが、仏紙フィガロにこの点に関する記事が掲載されました。
お世辞にも英語が上手とは言えないフランス人から見下されるほど日本人の英語力は低下してしまった様です。
確かに以前は自国語へのプライドがあるあまり、フランス人は英語を喋りたがらなかったのですが、最近、特に若い世代は英語が上手になりました。
フィガロの記事かいつまんでご紹介したいと思います。
フィガロ記事要約
2024年、英語力を測る国際ランキング「EF EPI」において、日本は116ヵ国中92位という過去最低の結果となった。
2014年、63ヵ国のみの統計ではあるが、日本は26位でフランスより3つ順位を前につけていた。それが10年経った今では、フランスより43位も下だ。
地域別でもアジア23ヵ国中16位と、経済規模に見合わぬ低水準だ。
特に懸念されるのは若年層の英語力低下で、18〜25歳のスコアが10年前より著しく悪化している。
つまり今後さらに順位が低下することが確実なのだ。
この深刻な状況にもかかわらず、日本のメディアや政府の反応は鈍く、危機感が薄い。
教育政策の見直しも見られず、むしろ翻訳アプリに依存する姿勢が目立つ。
一方で、日本を訪れる外国人は、奇妙で詩的ですらある英語表記に驚くことが多い。
歩行者に転落の危険を伝える「この先危険、これ以上前に行かないで下さい」という標識は「The future is dangerous, don’t go any further」である。
日本社会全体で英語力の欠如が顕著だ。
国際会議で唯一通訳を同伴する首相の存在や、企業幹部の間ですら英語での会話や議事運営が困難である現実が示している。
外国人社長を迎えるにあたり「オフィスはパニック」と語る企業幹部の声もあり、日本の職場環境はグローバル化に対応しきれていない。
この背景には、日本が依然として内向き志向で、成熟した巨大な国内市場に依存している点がある。
全てが日本語で完結する社会で、外国語教育への切迫感が欠如している。
学校教育では実用的なスピーキングよりも試験対策が優先され、実践的な英語能力が育まれないままだ。
韓国や中国の若者が英語力の欠如を恥と捉えるのに対し、日本の若者の意識は異なり、国際的な格差が広がっている。
このため、外国人が日本で働くこと、日本人が海外で活躍すること、いずれにも言語の壁が障害となっている。
バイリンガルの日本人マネジャーの確保が困難で、日本人が外国人主体の環境を敬遠する傾向も見られる。
英語力の欠如が、日本のビジネスの魅力を損ねる一因となっている。
GAFAの外国人幹部は、英語の社内メールを3分の1の従業員が読めない実情を語る。
結果として、英語力の低さは日本人の国際競争力を著しく低下させており、ウォール街やハリウッド、アメリカの名門大学においても日本人の存在感は乏しい。
グローバル社会において、日本人の「英語非識字状態」は大きな足かせとなっている。
特効薬はあるのか
116カ国中92位という事は先進国中ではおそらく最下位という事でしょうね。
日本の教育では中学から大学まで10年も費やして勉強するのになぜこれほどできないのでしょうか。
先ず教育のやり方を根本的に変える必要がありますね。
私も中学校で英語を学び始めましたが、先ずカタカナで発音表記をする事を学びました。
ある日学校を米国人が訪問しましたが、英語の先生は雲隠れしました。
生徒に英語で会話ができない事を見せたくなかったからでしょう。
あの先生を責める気にはなれません。
当時の英語教育というのはどこもそんなレベルだったと思います。
救いがあるとすればAIの普及です。
Chat GPTにこの前英語で語りかけたらちゃんと会話が成り立ちました。
今後、英語をの授業はAIが先生の代わりになっていくと思います。
AIは個人のレベルに合わせたカスタムメイドな授業を行ってくれるので、上達は早いでしょう。
でも心配なのは日本の若い人たちの英語に対する関心の低さです。
いくら教育ツールが進化してもやる気がなければ上手くなりません。
「海外に雄飛」なんて言葉が流行らなくなってきたことが英語力低下の真の原因ではないでしょうか。
最後まで読んで頂き有難うございました。