リスクを取る事を選択した大統領
昨日のブログでトランプ大統領はイランの核施設を爆撃しないだろうと予測しましたが、見事に外れました。
今朝、フォルドゥの地下核施設を含め、3ヶ所を空爆したと大統領自ら表明しました。
WSJの様な大手新聞も社説で攻撃すべきだと唱えていましたので、アメリカの世論がそちらに傾いていたのを大統領は感じ取っていたのかもしれません。
米国メディアはこの件で大忙しですが、今回はBloomberg社の記事を取り上げたいと思います。
Bloomberg社記事要約
トランプ大統領は、米軍機がイランの主要核施設3カ所を攻撃したと述べ、長年にわたり新たな戦争を回避すると公約してきたにもかかわらず、米国はイランの紛争に直接巻き込まれた。
トランプ大統領は、作戦でフォルドゥ、ナタンズ、エスファハーンが攻撃したと述べた。
大統領は作戦を「大成功」と評し、関与した航空機はイラン領空を離脱し、「無事に帰還中」だと付け加えた。
トランプ大統領はTruth Socialに「今こそ平和の時だ!」と投稿した。
一方、イランのタスニム通信は、日曜早朝、「フォルドゥ核施設周辺の一部が敵軍の空襲を受けた」と報じた。
トランプ大統領が先週末、2週間以内に決定を下すと述べ、交渉に更なる時間を与える用意があることを示唆していたことを考えると、今回の空爆開始の決定は驚きだった。
イランはトランプ大統領が攻撃を命じれば報復すると警告しており、イラン当局は米国をイスラエルの「共犯者」と呼ぶに至った。
「イラン側が慎重な対応を取ることを期待するが、これは、米国を攻撃していない外国に対する米国の戦争行為だ」と、スティムソン・センターの特別研究員バーバラ・スラビン氏は述べた。
「米国人は中東全域、そして世界中で危険にさらされている」
トランプ氏は、大統領選でアフガニスタンとイラクへのアメリカの介入を指摘し、外国の戦争に介入しないと公約していたが、支持者から数日間、相反する助言を受けていた。
トランプ氏の長年の支持者であるスティーブ・バノン氏を含むMAGA(中東和平協定)の支持者たちは、これはイスラエルが終結させるべき戦いだと主張し、アメリカのいかなる介入にも反対を警告していた。
しかし、他の共和党議員たちは、イスラエルによる数日間の空爆によってイランはより脆弱になっており、イラン政権が核兵器を保有することを許さないという大統領の主張を実践する絶好の機会だと唱え、トランプ氏に対イラン戦争への参加を促していた。
トランプ氏とその顧問たちはここ数日、いかなる攻撃も限定的なものになると示唆していた。
「これは永遠の戦争の始まりではない」と、アイダホ州選出の共和党議員で上院外交委員会委員長を務めるジム・リッシュ上院議員(共和党)はテレビで述べた。
「イランに米軍が地上部隊を派遣することはない。これは的確かつ限定的な攻撃であり、必要であり、あらゆる点で非常に成功した」
エネルギー専門家は、イランが米国の攻撃に報復した場合、この地域の原油供給が危険にさらされる可能性があると懸念を表明している。
懸念の焦点となっているのは、世界の石油取引の26%が通過する重要な中継地点であるホルムズ海峡だ
ホルムズ海峡はこの地域の石油・ガス生産にとって極めて重要な動脈であるため、機雷敷設を含むより広範な攻撃は、さらに広範な影響を及ぼす可能性がある。
深入りしたくない米国
トランプ大統領の「今こそ平和の時だ!」という投稿に注目したいと思います。
トランプ氏はイランとの戦争に深入りする気はないと思います。
核施設の排除という目的が達成されれば、それで十分と思っている筈です。
問題はイランがそれを許してくれるかです。
この国もプライドが高いので、このまま何もしないというわけにはいかないでしょう。
対立がエスカレートすれば、ホルムズ海峡封鎖などというシナリオも現実味を帯びてきます。
原油輸入のほとんどがホルムズ海峡経由で行われている我が国にとって悪夢のシナリオにならない事を祈るばかりです。
最後まで読んで頂き有難うございました。