MIYOSHIN海外ニュース

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公衆トイレの状態は民度を反映する

公衆トイレの老朽化が進む米国

米国全体で公衆トイレ不足・老朽化が社会問題化している様です。

ある統計によれば10万人あたりの交渉トイレ数は世界30位でボツワナと並ぶ低水準と言われています。

確かに米国を訪れた時に公衆トイレを使った覚えがありません。

この公衆トイレの問題についてウォールストリートジャーナル(WSJ)が「The ‘Smart’ Restrooms That Can Solve America’s Public Bathroom Crisis」(アメリカの公衆トイレ危機を解決する「スマート」トイレ)という記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。公衆トイレが清潔でどこにでもあるという日本の常識は海外では通用しないんですね。

WSJ記事要約

米国の公衆トイレ不足は深刻です。

その解決策として単にトイレを増設するだけでは、外観や衛生状態の面できちんと維持管理されず、すぐに利用者から敬遠される“公園トイレ化”のリスクがあると指摘されています。 

ワシントンD.C.発のスタートアップ Throne Labs は、オフグリッド型のプレハブ式トイレに、センサーとソフトウェアを組み合わせた先進的システムを導入。

これは従来の公共トイレとは一線を画すサービス提供を行っています。

Thronesの開発者はなぜ米国人はまともな公共物を持てないのかという現実から目を背けないことから始めています。

彼らの公衆トイレの特徴は下記の通りです。

  • トイレごとにQRコード/アプリ/SMSあるいはタップ式カードで利用者を識別。実名とは紐づかないIDによって連続使用を管理し、利用マナーを評価する「Uberライクな評価システム」を導入。利用マナーが悪いと警告・利用できなくなる可能性があります。
  • 喫煙や長時間滞在を防ぐため煙センサーや滞在時間制限(最大10分)を設定。清掃リクエストもデジタルで即時通知され、スタッフが駆けつける仕組みになっています。

ロサンゼルス(LA)メトロの担当者に依れば、生活に必要なことを清潔かつ威厳を持って行える場としてこのトイレに頼っていた路上生活者たちでさえ、誰もトイレを汚さないよう注意を払っていたといいます。

このトイレはプレハブ式で従来型の公衆トイレに比べ、設置日数が圧倒的に短い事に加えて、太陽光発電、貯水タンク、排水管理などを内蔵し、既存インフラが不要と言う特長を備えています。

一方、管理費用が拠点あたり年間9万ドル超と高額である点は大きな課題となっています。

民度の高さの尺度-公衆トイレ

著者も世界中を旅行して、日本は公衆トイレが圧倒的に清潔に保たれている国だと思います。

海外で用を足そうとトイレに入ったものの、中を見た瞬間に後退りした経験は多々あります。

特に酷かったのは旧ソ連時代のモスクワでした。

社会主義国ソ連の問題は公衆トイレに凝縮されていると思ったものです。

公衆道徳がない国は衰退していくと思ったのですが、案の定その後ソ連は崩壊しました。

公衆トイレが清潔な状態で保たれている国は成長するとの仮説を立てたのはその時の経験に基づいたものでした。

今著者が滞在しているトルコはロシアと対照的に公衆トイレが清潔国です。

トルコが経済危機に喘いでいた1990年代のトルコも公衆トイレは清潔でした。

その後トルコが経済成長した事を考えれば、著者の仮説は正しかったのかもしれません。

 

最後まで読んで頂き有り難うございました。