MIYOSHIN海外ニュース

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イラン戦争の意義

批判を浴びるトランプ政権

イラン戦争はこう着状態が続き、出口戦略なく戦争を始めたとしてトランプ政権の責任論が多くのメディアで取り上げられていますが、先日米紙ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)に興味深い寄稿文が取り上げられました。

著者はコンドリーザ・ライス氏、ご存じの方も多いと思いますが、彼女は黒人女性として初の米国国務長官を務めました。現在はスタンフォード大学フーバー研究所の所長を務めています。
かいつまんで彼女の寄稿文をご紹介したいと思います。

ライス女史WSJ寄稿文要約

米国と同盟国による約3カ月間に及んだ対イラン限定戦争を振り返り、私がまず読者の皆様に明確に伝えたいのは、我々の軍事行動が中東情勢を劇的に、そして決定的に好転させたという事実です。

ここで、我々が具体的に何を成し遂げたのかを、私自身の視点から総括したいと思います。


第一に、我々はイランの軍事力に壊滅的な打撃を与えました。

戦争自体は限定的であり、最終的な体制崩壊にまで至らせたわけではありません。

しかし、イランの通常戦力やミサイル備蓄、さらにはハマスやヒズボラといった彼らの手先である代理勢力をも徹底的に叩き潰しました。

これにより、イランがこれまで誇示してきた戦力投射能力は地に落ち、体制指導部がいかに物理的に脆弱であるかが白日の下に晒されました。

長年、彼らは「ホルムズ海峡を封鎖する」と我々を脅してきましたが、我々が逆封鎖という手段に出た結果、深刻なダメージを受けたのはイラン経済の方でした。

彼らの強硬手段には限界があることを、我々は世界に証明したのです。


第二に、そしてこれが最大の成果だと私は考えていますが、我々はイランの核開発の野望を根底から打ち砕きました。

「エピック・フューリー作戦」などを通じて、我々は中核となる優秀な核科学者たちを排除し、核兵器製造に不可欠なウラン転換施設や遠心分離機を破壊しました。

確かに、イラン国内には高濃縮ウランの備蓄がまだ残っています。

しかし、インフラを徹底的に破壊された現状において、彼らが兵器級の93%以上にまで濃縮を引き上げる最終段階へ到達することは事実上不可能です。

「イランに決して核兵器を持たせない」という公約は果たされ、彼らが再び核保有の瀬戸際まで到達するには極めて長い時間を要することになりました。


第三に、この軍事行動を通じて、中東における我々の同盟関係はかつてないほど強固になりました。

私が見るに、米国、イスラエル、そしてアラブ諸国の間の防衛協力や情報共有は、もはや新たな次元に達しています。

多くのアラブ諸国はイスラエルの存在意義を疑うような過去のパラダイムを捨て去り、技術的・経済的な利益を共有するパートナーとしての協力を求めています。

その結果、イスラエルの安全保障環境は過去最高レベルに達しました。


さらに、我々の行動は中東の枠を超え、グローバルな地政学にも大きな変化をもたらしました。

イランが地域の経済インフラを攻撃しても、中国はただ傍観するだけでした。

これにより、中国が「アラブ世界の真の友人」などではないことが明白になりました。

ロシアもシリア、ベネズエラ、そしてウクライナの戦場で戦略的な後退を余儀なくされている今こそ、我々はウクライナ支援をさらに強力に推し進めるべきだと私は強く主張します。


最後に、我々が今後取るべき道について語りましょう。

我々は中東地域における高い軍事的即応態勢を緩めてはなりません。もしイランが核やミサイル能力を再建しようと動くなら、直ちに再び攻撃を加える確固たる意思を示す必要があります。

また、ロシアや中国がイランの再建に手を貸すようなことがあれば、我々はその事実を公に暴露しなければなりません。

そして、ドローンなどを駆使した非対称戦に備え、同盟国との防衛技術・情報協力をさらに深めていくべきです。


戦略的忍耐を維持することは決して容易な道ではありません。

しかし、時間は今や我々、米国と同盟国の味方です。

我々はイランを弱体化した状態に留め、安易で不十分な妥協(悪い取引)を断固として拒絶することで、中東に「新しい夜明け」をもたらすことに成功したのです。

私はこの歴史的成果を大いに評価するとともに、この優位を今後も揺るぎないものにしていくべきだと確信しています。

冷戦を終わらせたロシア専門家

ライス女史は冷戦時代モスクワ大学に留学していますが、その後1989年から1991年の間、ジョージ H. W. ブッシュ政権において、国家安全保障会議ソ連部長として辣腕を奮っています。

ご存じの通り1989年にベルリンの壁が崩壊し、1991年にソ連が崩壊していますから、彼女が冷戦において米国に勝利をもたらした立役者だと言えます。

おそらくソ連留学時代に徹底的にソ連の弱点を研究したものと思います。

ソ連が崩壊したのは当時米国からの穀物輸入に依存していたソ連に穀物を輸出する事を禁止したからだと言われていますが、彼女はイランの経済的弱点を突くホルムズ海峡の逆封鎖を評価しているものと思われます。


イランが虎視眈々と核兵器開発を狙っていたことは明らかで、その意味で核の平和利用を唱えたイランの主張を受け入れたオバマ政権は間違っていたと思います。

トランプ政権の今回の行動はイランに核兵器開発には大きなコストがかかる事を思い知らせたという意味で大きな意義があったと思います。

もしイランが核を持てば、サウジやトルコなどにも核が広がりかねず、地域の安定に大きな問題が生じる所でした。


今回の米国の行動はイランの核開発をとりあえず阻止するという意味で意義があったと著者も思いますが、問題は米国が同じ様な行動を他の地域でも取ってくれるかという点です。

今回イスラエルを守るという特別な理由から行動を起こしたのであれば、極東など他の地域で米国が同じ様な行動を起こすか明白ではありません。

最後まで読んで頂き有り難うございました。