MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

ウクライナ戦争に関するもっともらしい主張の真偽

昨日の筆者のブログを読んで、いくつか疑問が湧いてこられた方もあると思います。

想定される疑問に対して次の様にお答えしようと思います。

 

「ロシアにウクライナの一部でも譲渡すれば、彼らは図に乗ってウクライナ全土、更には欧州への侵攻を企てるに違いない。」

 

上記の主張を唱える方は多いと思います。

しかしこれはロシアの脅威と実力を過大評価していると思います。

第二次世界大戦当時、ナチスドイツはポーランドに侵攻しましたが、その際に投入した兵力は150万人、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した際の兵力は僅か10万人です。

ポーランドより遥かに大きなウクライナ全土を占領しようとおもっているならば、少なくともナチスがポーランドに侵攻した際の兵力をロシアは投入する必要があります。

更にウクライナ全土の占領をロシアが行おうとした場合、ウクライナ西部では反露感情の強い住民による激しい抵抗運動により膨大な人的損害を覚悟する必要があります。

ロシアはそれだけの人的資源を有していません。(少子高齢化が進んでいます)

ウクライナ一国でさえ占領が難しいのに、NATOに属する東欧諸国への侵攻など現実的ではありません。

ロシアは自分の鼻先にNATO軍が陣地を構える事を容認できないので、ウクライナを中立国にする事が主要な戦争目的です。

ロシアが欧州に侵攻する危険性はウクライナ政府が頻繁に指摘しますが、これはNATOを繋ぎ止めたいと言う思いから出たものと思われます。

 

アメリカは自由民主主義陣営を守る守護神である。ウクライナを見捨てれば、台湾も危なくなる。

ウクライナの人には申し訳ありませんが、ウクライナと台湾の価値は米国にとって大きく異なります。

トランプ大統領が主張する通り、ウクライナは欧州の問題であって、米国にとって核心的な利益ではありません。

それどころか中国と対峙する上で、米国にとってはウクライナよりロシアの方が重要です。

現在米国は強大化する中国の台頭を如何に押さえ込むかが喫緊の課題です。

台湾有事に対して、ウクライナと同じ様な対応はしないでしょう。

アメリカが世界の警察であった時代はオバマ大統領の時に終わりました。

アメリカの国力は比較優位を依然保っていますが、世界中の紛争に駆けつける警察官の役割はもはや果たせません。

彼らが核心的利益だと認識する地域にのみ、リソースを投入する事しか出来ないのです。

 

西側諸国が一致団結してロシアに対して二次制裁を課せば、ロシア経済は崩壊するのではないか。

トランプ大統領だけでなく、ベッセント財務長官も記者会見で二次制裁に触れて、「欧米が一致団結して二次制裁をかければ、ロシア経済が崩壊する。」と唱えていましたが、果たして実行可能でしょうか。

ロシアから一番原油を購入しているのは中国とインドです。

したがってこの2カ国が二次制裁の主な対象となりますが、中国に対してこれを行えば、レアアース等で反撃してくる事は必至で、米国が先に干上がります。

インドには既に二次関税をかけましたが、インドは構う事なくロシアから原油を購入していますし、米国がそんな態度ならと中国に接近する構えを見せています。

欧州に至っては主要貿易パートナーの中国やインドに二次制裁を課す体力がありません。

昨日のブログでも書きましたが、米国が欧州に二次制裁を持ちかけたのはウクライナ戦争の敗北の責任を欧州に転嫁しようと言うもくろみで行われたものですので、実現は期待薄です。

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。