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中印衝突で日米に好機到来か

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中印衝突は何をもたらすか

先日、中印国境で多くの死者を出す衝突が起こりました。この衝突は、相手国に対する強い嫌悪感を生み、インドでは、中国製品に対するボイコット運動が高まりを見せた様です。

この両大国の衝突は何をもたらすでしょうか。この点について、ウォールストリートジャーナルが社説で「中印衝突 米国に好機も」と題して、取り上げていましたので、かいつまんでご紹介したいと思います。

  • 双方が、相手が衝突を誘発したと主張しているが、今回の衝突は、多くの隣国に対して、自国の領有権を押し通そうとする中国の最近の行動パターンにあてはまる。
  • 中国は尖閣諸島の近辺に艦艇を派遣し、日本政府の反発を招いた。台湾上空にもジェット戦闘機を飛ばし、香港の統制も厳しさを増している。マレーシアやフィリピンも中国の圧力を受けている。
  • 習主席があからさまな領土的野心を見せるのは、コロナ感染によって経済が疲弊する中、ナショナリズムを煽って、国民の関心を外に向ける作戦かもしれない。
  • いずれにせよ、現在、中国と周辺国の間で高まっている緊張は、米国にとって大きな好機となりえる。
  • もし、トランプ大統領が、駐留軍負担といった数十億ドルの目先の利益ではなく、数兆ドル規模の戦略的利益に目を向ければ、この好機を手にすることが可能だ。
  • インドのモディ首相は、歴史上最も親米と言って良い首相である。インドに加えて、中国の執拗な領海侵犯を受けるインドネシアも2億5千万人以上の人口を抱える大国である。これらの国を、民主的でルールに基づいた米国の同盟側に引き寄せることができれば、全ての当事者の利益になる。
  • これらの国は中国に生産拠点を持つ米国企業の受け皿にもなるであろう。

中国が領有権をゴリ押しする理由

中国は周辺諸国と、ことごとくと言って良いほど、領有権に関する問題を引き起こしています。その理由は何でしょうか。上記の社説が指摘する通り、ナショナリズムも一つの理由だと思いますが、やはり一党独裁という政治システムそのものに問題があるように思います。

おそらく、このシステムでは、日本以上にいわゆる忖度や追従が当然となり、歯止めが効かなくなってしまうのだと思います。

一党独裁ですから、誰も上層部の決定に対して文句が言えません。国として世界のリーダーになるという目標を掲げているわけですから、どうしても周辺国に対して強硬論に傾きがちです

他の国であれば、多少なりとも、隣国への配慮とか歴史的な経緯を尊重する部分があるのですが、自由な議論が許されない一党独裁のシステムでは、ブレーキ役を果たす機関がないのです。

これは大変危険です。国境線に配置された兵士や沿岸警備隊の功名心に、歯止めが掛からなくなっているのではと危惧されます。消極的な国境警備は、彼らの経歴に傷がつくと思っているのではないでしょうか。

中国が周辺国に強気に出る理由はもう一つあります。それは米国とアジア諸国の間に吹くスキマ風です。

駐留米軍の経費負担に関して、米国とアジア諸国の間で不協和音があるのを、中国は見逃しません。飴と鞭で周辺国を懐柔しようとしています。

トランプ大統領には、アジアの友好国との関係を再度、見直してもらいたいと思います。

インドから東南アジアにかけての地域は、世界で最も成長率が高く、米国にとっても、最も経済的利益が期待できる地域です。

ここで、同盟国との深い絆を作る事ができれば、中国との覇権争いにおいても、有利になるはずです。

日本の役割

日本が果たす役割も大きいと思います。

中国が隣国に見せる領土的野心は、多くのアジア諸国において反発を生んでいます。

日本は法をを守る信頼できるパートナーとして、これらの国と同盟関係を強化する好機が到来していると言っても良いでしょう。

米国とアジアの隣人達を繋ぐ役割は、日本をおいて他にありません。

中国は15年前にアジア最大の輸出国に躍り出ました。今や、日本、韓国、オーストラリア、ベトナムの合計額を上回る輸出額を誇っています。

しかしアジアの貿易外交では、未だに日本が主役です。日本も、今を好機と捉えて、新しい貿易秩序をアジアで樹立すべきと思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。