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トランプとバイデンどちらが大統領になるべきか(続編)

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トランプ大統領に対する批判記事

物事の真偽は様々な意見を聞いてから判断すべきと言われています。

特に政治の様に主観が大きな比重を占める世界は特にそうです。

昨日、バイデン候補に対する批判的な意見をご紹介しましたが、それだけでは片手落ちです。

今日はトランプ大統領に対する批判記事をご紹介しましょう。

英誌Economistが「Why it has been Biden」(何故バイデンでなければならないのか)と題する社説を発表しました。

同誌が、大統領選で支持候補を明確にするのは珍しいと思いますが、今回だけは旗色を鮮明にする必要があると判断したのでしょう。

この社説の内容をかいつまんでご紹介したいと思います。

Economist社説要旨

2016年にトランプ氏を選出した国は不幸にも分裂しました。

彼が大統領になってからというもの、政治は怒りに満ち、責任転嫁、嘘がまかり通る混乱の中で、コロナ感染は約23万人もの死者を出しました。

その多くはトランプに責任があります。

バイデンは、アメリカを苦しみから脱却させる奇跡的な治療法ではありません。

しかし、彼はホワイトハウスに安定と規律を取り戻す政治家です。

彼は、分断された国を元に戻すという長く困難な仕事を始める準備ができています。

従って、もし私たちが投票するなら、バイデンに投票するでしょう。

 

 

新型コロナがなければ、トランプは2期目を勝ち取った可能性があります。

彼の国内実績には、減税、規制緩和等が挙げられます。

しかし彼らが主張する実績には、反論の余地がかなりあります。

減税は逆進的でした。規制緩和の一部は、特に環境に有害でした。

ヘルスケア改革の試みは大失敗でした。

 

しかし、トランプ氏に関するより大きな問題は、もっと根本的なところにあります

過去4年間、彼は、世界が規範としてきたアメリカの価値観、原則を繰り返し罵倒してきました。

アメリカの価値観、国の良心、そして世界におけるアメリカの声の守護者として、彼はその任務を果たせていません。

バイデン氏を非難する人は立ち止まって考えるべきです。

 

歴代の大統領は党派主義をアメリカにとって悪だと見なしているのに対し、トランプ氏はそれを彼の政策の中心に据えました。

彼は彼に投票しなかったアメリカ人を代表しようとしたことは一度もありません

ジョージ・フロイド氏の殺害後に平和的な抗議行動に直面した彼が選んだのはは、それを癒すことではなく、略奪と左翼の暴力が米国の法と秩序を脅かしていると主張する事でした。

 

彼は政敵のスキャンダルをでっち上げた外国政府に保護を提供します。

勝利に役立つかもしれないという理由だけで選挙の正統性に疑問を投げかける時、彼は民主主義を危機に陥れます。

 

コロナ感染に対して、もっとましな対応ができたにもかかわらず、彼はマスク着用の是非を含めて科学を嘲笑しました。

アメリカには世界最高の科学者がたくさんいるにも拘らず、新型コロナ死亡率は世界有数の高さです。

 

トランプ氏は、アメリカの同盟国を粗末に扱ってきました。

同盟は、世界におけるアメリカの影響力を拡大します。

アフガニスタンなどでの経験が証明したように、アメリカの軍事力だけでは外国を変えることはできません。

それでも、アメリカの理想は、他の民主主義国家や、迫害された国民の模範となるのです。

 

トランプ氏の再選は、トランプ氏がもたらした全ての害悪を国民が追認する事になります。

 

バイデン氏は、激しい党派間の敵意を終わらせることはできません。しかし、彼は和解への道を築き始めることができます。

彼の政策はトランプ政権より左側にありますが、革命的という程ではありません。

企業や富裕層への増税はそれなりの規模ですが、懲罰的ではありません。

彼は、老朽化したインフラを再構築し、健康と教育により多くの資金を与え、より多くの移民を許可しようと努めるでしょう。

気候変動政策においては、研究と雇用拡大に投資するでしょう。

彼は有能な管理者であり、専門家のアドバイスに耳を傾けます。

 

共和党員は、高齢化し、たよりないバイデン氏が、左翼のトロイの木馬になるのではないかと心配しています。

民主党内の左翼が動いているのは事実ですが、彼と副大統領候補であるハリスは両方とも選挙期間中にそれを抑えられることを示しました。

 

この選挙で、アメリカは運命的な選択に直面します。

危機に瀕しているのは、その民主主義です。

やはりバイデンか

この記事を読んでいると、やはりトランプ大統領にはお引き取り頂いた方が良いのではと思えてきます。

バイデン氏は決して傑出した指導者ではありませんが、トランプ政権において、アメリカの民主主義に対する信頼が大きく揺らいだ事は明らかです。

この点において、バイデン氏は少なくともトランプ氏よりましな政治を行い、アメリカの信頼を回復すべく行動してくれそうです。

アメリカファースト主義がもたらした弊害は非常に大きいですが、もっと大きな問題は、国民の分断を煽り、国民を一つにすることに全く関心がないトランプ大統領の政治姿勢にあります。

 

トランプ大統領がいやだから、バイデン候補を応援するという消去的な理屈で大統領が選ばれるのも、残念ではありますが、今回ばかりは仕方がないと思われます。

更に心配なのは、トランプ大統領が選挙に負けても、敗北を認めようとしない可能性です。

米国大統領選においては、負けた候補が敗北宣言を行うのが通例となっています。

これをConcession Speechと呼んでいますが、トランプ大統領はこれを行わず、ホワイトハウスに居座る可能性が取り沙汰されています。

潔く選挙の敗北を認め、政権を勝者に明け渡すというのは、民主主義の基本中の基本ですが、この原則が蔑ろにされた場合、米国の民主主義は極めて大きなダメージを受けます。

最後の判断を最高裁に委ねる作戦とも言われていますが、その様なプロセスを踏む様になっては、米国の信用は地に墜ちると思います。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。