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英国から見た日本人の中国観

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複雑な日中関係

日中両国は隣国として2000年を超える関係を持っていますが、20世紀に入ってからというもの、幾つかの戦争を経験しました。

現在も民主主義陣営に属する日本は中国と様々な問題を抱える一方、最大の貿易パートナーとして緊密な関係を有しています。

この二国間の関係を欧米はどの様に見ているのか。

この点について英誌Ecoinomistが「How Japan sees China」(日本から見た中国)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

日本から中国への公式訪問の最初の信頼できる記録は紀元前238年ににさかのぼります。

そのとき、日本の女王である卑弥呼が、10人の奴隷と織物を捧げて中国の魏王朝に代表団を派遣しました。

7世紀には、当時日本の大部分を支配していた大和は、隋と唐の宮廷に敬意を表して使節を定期的に派遣していました。

日本は中国の漢字を採用しました。

 

日本は、何世紀にもわたって、大きな隣国を警戒しながらも、緊密な関係を築いてきました。

1970年代後半から1980年代にかけて、戦時中の残虐行為に対する罪悪感に一部動機付けられて、日本は中国の近代化を支援しました。

日本企業は、成長する市場にいち早く参入しました。

日本の指導者たちはまた、特に2010年から2012年にかけて、日本が尖閣諸島と呼び、中国が釣魚島と呼ぶ東シナ海の無人島をめぐって衝突した後、中国の拡大主義について早期に警鐘を鳴らしました。

「私たちは警告しました。これは日中間の小さな問題ではなく、この地域で中国の力が高まっている兆候です」と元駐米日本大使の佐々江賢一郎は言います。

 

当時、中国を世界経済に統合することに夢中になっていた欧米は、その様な見方に耳を貸しませんでした。

しかし、近年、香港での中国の侵略、新疆ウイグル自治区での弾圧、台湾周辺での緊張は、多くの西側政府を中国に関して懐疑的にしました。

中国との競争の時代に突入する中、日本の視点は見直されています。

一部の米英の当局者は、中国への理解を深めることを期待して、日本を英語圏の情報共有ネットワークであるファイブアイズに招き入れる事を検討しています。

「15年前、中国のネガティブな側面について[西洋の同僚]と話をした際、私は右翼で中国を嫌う日本人学者として扱われました」と東京大学の中国専門家である松田康博は言います。

「今、彼らは私たちの言うことに耳を傾けます。」

 

中国に関する日本人専門家は現在、3つの懸念される傾向について語っています。

1つ目は中国の自信過剰です。

「彼らは、西側諸国が衰退していると本当に信じています」と、元日本の国家安全保障問題担当補佐官である兼原信克は言います。

彼らの中には第二次世界大戦前の日本の自信過剰状態との類似性を指摘する人もいます。 

 

2つ目は、習近平国家主席の下での集団的リーダーシップから個人的リーダーシップへの移行です。

日本の当局者は、一人の男性の決定に依存していることで、中国が北朝鮮のようになる事を心配しています。

確かに、この点では、習氏は、スイスで教育を受けた金正恩よりも西側の世界を知らない可能性があります。

 

最後に、中国経済の状況があります。

「共通の繁栄」を求める中、最近の大企業に対する習氏の取り締まりにより、東京の多くの人々は中国経済の将来について懸念を抱いています。

「中国人が私たちのところにやって来て、私たちにもっと投資するように勧めています」と日本の大手銀行の顧問は言います。

「しかし、中国人がこれを言うとき、それは彼らが問題を抱えていることを意味します。」

一帯一路イニシアチブを通じた中国の海外インフラプロジェクトへの支援は、近年劇的に低下しました。

中国経済が国内で「深刻な問題」に直面している兆候であると、国際協力銀行の前田匡史総裁は語ります。

 

中国の経済減速は、日本自身の経済に劇的な影響を与えるでしょう。

中国は、最大の貿易パートナーであり、日本の輸出の22%は中国向けです。

日本の中国ウォッチャーは、台湾や尖閣/釣魚島周辺でナショナリズムをかき立てることによって、習氏が経済の低迷から注意をそらす可能性があることを恐れています。

それでも、多くの日本の学者は、台湾をめぐる戦争が差し迫っている点についてアメリカの学者よりも懐疑的です。



日本の対中政策はここのところ変化しようとしています。

コロナが発生する前は、日本と中国は比較的好関係を維持していました。

安倍首相は2020年4月に習近平氏を公式に招待しました。

コロナはそれらの計画を中止させました。

岸田文雄新首相は慎重ですが、いくつかのタカ派的アプローチを採用しました。

彼の内閣には「経済的安全保障」のための新しい大臣が含まれており、重要な物資に対する中国への依存を減らす任務を負っています。

彼はまた、新疆ウイグル自治区と香港での中国の虐待に対してより厳しい姿勢を取ることを視野に入れて、中国に対するタカ派として知られる元国防相の中谷元を人権担当補佐官に任命しました。

2022年、日本と中国は戦後の関係正常化から50周年を迎えます。

これを祝おうというムードはほとんどありません。

2021年には、日本人の約71%が、中国が「脅威」をもたらしたと述べ、2020年の63%から増加しました。

同様に、中国人の66%は、53%から増加して日本に対して否定的な見方をしました。

日中関係は今後混乱する可能性があります。

欧米の日中両国を見る目は変化する

上記の記事を読むと、日本の中国を見る目が変わったのではなく、欧米が日中両国を見る目が大きく変わった事に気付きます。

基本的に、欧米は中国と仲の良い時は、日本を軽視し、中国と関係が悪化すると日本をちやほやする傾向にあります。

第二次世界大戦直後は国民党の中国を欧米は重視しましたが、冷戦時代に入ると共産党の支配下に入った中国を敵視し、日本を同盟国に引き上げました。

今回も中国が欧米の最大のライバルになるや否や、日本をファイブアイズといったアングロサクソンの諜報網に仲間入りさせようなどと言い出します。

大事なことは、日本は自分の国益をよく考えて行動することだと思います。

欧米は移り気です。

その内、中国とよりを戻し、日本を冷遇するかも知れません。

そういうシナリオも頭の隅に置いておく必要があるでしょう。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。