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再びコロナ感染の中心となった欧州

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パリの集中治療室飽和状態に

欧州のコロナ感染が再び危機的な状況を迎えている様です。

仏通信社AFPによれば、パリの病院の集中治療室は、コロナ感染者急増のために数日中に飽和状態を迎える事が憂慮されています。

仏紙Les Echosがロックダウンが再開されたパリから、フランス及び欧州の感染状況を次の様に伝えています。

Les Echos記事要旨

フランスでは、集中治療室に入院する人の数が1,900人を超えました。

パリとその近郊を含む12の大都市が、午後9時から午前6時まで少なくとも4週間、ロックダウンの対象となっており、 2,000万人以上が影響を受けています。

新しいコロナウイルスの感染数は、10月17日に新記録(32,427)を更新しました。

陽性率(実施された全検査に対する陽性検査の割合)は、9月初旬の約4.5%に対して、13.2%と急激に増加しました。

この病気に起因する死亡者数は18日に85人(17日は90人)であり、流行が始まってからの総死者数は33,477人に上ります。

最も重症で現在集中治療室に入院している患者の数は1,939人で、前日より71人増加しています。

過去24時間で、147人の新しい患者が集中治療室に入り、(17日の175人に対して)、過去7日間で1,343人の患者が入りました。


状況の悪化はフランスだけではありません。

世界のコロナ感染は週末に1日あたり40万件を超えましたが、ヨーロッパ大陸は現在、1日14万件の新規感染が記録されており、パンデミックの中心となっています。

ヨーロッパ全体では、インド、ブラジル、米国を合わせたよりも多くの感染があり、英国、フランス、ロシア、オランダ、スペインがその主因となっています。

公式の情報源からAFPが集計したところ、欧州で感染度が高い5カ国の状況は下記の通りです。

この5カ国で欧州全体の死者の3分の2を占めています。

 

累積死者数 累積感染者数
欧州全体 250,030 7,366,028
英国 43,646 722,409
イタリア 36,543 414,241
スペイン 33,775 936,560
フランス 33,392 867,197
ロシア 24,187 1,399,334

 


欧州の新規感染は1週間で44%増加し、WHO(世界保健機関)から「非常に心配な状況」と見なされています。

当然のことながら、各国政府は、この流行の第二波と医療崩壊を食い止めるために、持てる手段を総動員しています。

何故、欧州でこれだけ感染が広がるのか

日本の現在の累積感染者数及び死者数は、次の通りです。

  1. 累積感染者数:92,670
  2. 累積死者数:1,670

欧州の数字と比べれば、歴然とした差があります。

特に注目すべきは死者数です。欧州各国とは桁が違います。

日本は、欧州各国と違い、厳格なロックダウンを行っていません。

フランスでは許可なしに外出するだけで高額の罰金を払わされます。

その様な厳しい措置をとったにも拘らず、これだけの感染者を出してしまいました。

この違いはどこから生まれたのでしょうか。

幾つか理由が考えられますが、やはり夏のバカンスシーズンに国境封鎖を解いた事が大きいのではないかと思います。

被害の大きい欧州の国々は観光大国として知られています。

外国人訪問客世界1位のフランス、2位のスペインはともに年間8千万人以上の外国客を受け入れています。この数字は自国の人口より多いのです。

一部制限はありましたが、観光収入を得るために国境を開放してしまったのが、ここにきての感染に繋がっていると思います。

やはり経済とコロナ対策は両立し難いという事でしょう。

もう一つの理由はマスクの着用が徹底されていない事です。
マクロン仏大統領がインタビューを受けているところを見ると、マスクを着けていません。

大統領自ら国民に範を示して欲しいですね。

 

今回、欧州各国がロックダウンを含む厳しい措置に出たことから、経済面での悪影響は免れません。

ビジネスにも大きな影響が出るでしょう。

日本は、韓国、ベトナムなど一部アジア諸国との往来が始まりましたが、欧米との人的交流はかなり先になりそうです。

大きなビジネスはやはりZoom会議では生まれません。

コロナ感染は今後も世界経済の大きな足かせになるでしょう。

 

美食の国としてのフランスも心配です。

パリのロックダウンの時間帯は午後9時から午前6時までと規定されて今すが、フランス人は8事くらいから夕食を食べますので、これではレストランは夕食を提供できないという事になります。

フランス政府もコロナで影響を受けた飲食業者等に補助金を出してきましたが、彼らの財源にも限りがあります。

今後、耐えきれなくなったレストランが続々廃業するのではと心配です。

一旦シェフが廃業すれば、景気がよくなったからと言っておいそれと再開はできません。

フランスの伝統の味が失われるのです。

欧州は芸術と食文化が魅力です。美食や観劇の楽しみがなくなったヨーロッパは価値を失います。

 

もう一つの心配は来年のオリンピックです。

欧州でこれだけ感染が広がると、各国でオリンピックの予選ができないのではと懸念されます。

ギリシャで始まったオリンピックは欧州生まれの国際競技会です。

欧州抜きのオリンピックはありえません。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。