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コロナよりも多くの子供達の命を奪う感染症ーマラリア

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コロナの影響で死者数が増大するマラリア

コロナウイルス発生後、約半年が過ぎようとしていますが、亡くなった方の多くは高齢者の方で、子供の命はあまり失われていません。

しかし今年、何十万という数の子供が、命を失う恐れがある病気があります。

それはコロナではありません。マラリアです。

マラリアは、ご存知の通り、ハマダラ蚊が媒介する伝染病ですが、2015年には世界中で2.1億人もの人が感染したと伝えられています(WHO調べ)。

コロナの影で、あまり注目されていないこの感染症に関して、米Foreign Policyが次のように伝えています。

  • 世界保健機関(WHO)は、マラリアによる死者数が、最悪のケースでは、今年37万人に上りそうだと予測しています。これは現在の、コロナウイルスによる世界の死者数とほぼ同じです。
  • 今年、マラリアによる死者が急増する理由は、コロナウイルス感染拡大によって、マラリアの予防と治療が混乱するからだと予測されています。
  • アフリカでは、過去に、エボラ出血熱の発生によって、医療現場の大混乱が生じました。この混乱により、エボラ以外のマラリア、HIV、結核などの患者に大きな影響を与えました。他の病気の死者数はエボラによる死者数より多かったのです。2018年、コンゴ民主共和国では、エボラ出血熱の影響で、マラリアの発生率が、8倍に増加しました。
  • コロナ ウイルスが流行し始めると、医療関係者はマラリアへの対応が、おろそかになります。マラリアによる死亡者の大半は、幼い子供が占めることになりますが、マラリア患者の急増は、コロナへの対応にも大きな害を及ぼし、医療システムに大きなストレスをかけることになります。
  • マラリアへのこれまでの対策は、過去20年間で大きな成果を生みました。毎年40万人近い人が亡くなっていますが、20年前は今の倍以上の人が亡くなっていました。しかし、今年、コロナ感染の拡大により、マラリアによる死者数が、再び、大きく膨れ上がるのではないかと危惧されています。
  • 一番心配されるのはアフリカです。マラリアの死亡者の90%は、サブサハラ(サハラ砂漠の南のアフリカ諸国)に集中しており、死亡者の三人に二人が、5歳未満の子供です。
  • 今年、サブサハラ地域に多くの蚊帳が、配布されることが予定されていましたが、コロナウイルスの感染により、予定通り配布されることが困難になっています。
  • コロナとマラリアは同じような症状を見せることが、治療をより困難にさせます。マラリアで高熱を発した患者は、コロナに感染することを恐れて、病院にいくことを躊躇するでしょうし、医療従事者も、どちらの病気に感染しているかを見極める必要があり、ストレスを生じさせます。 

コロナ感染拡大により対応が難しくなったマラリア

以上の通り、両方とも高熱を発するコロナとマラリアは症状が似ているだけに、同時に対応するのが難しく、医療現場に大きなストレスを生じさせるものと予測されています。

先進国で感染拡大が進んだコロナは、世界中のマスコミで、毎日のように取り上げられている為、財政的支援を比較的受けやすいですが、マラリアは主にアフリカで感染が広がるため、世界の注目を集めにくいのが現状です。

各国とも、コロナ対策に、重きを置かざるをえない状況下、マラリアに十分なリソースを割くことが難しい状況です。

最近は、日本の企業が、殺虫剤を練り込んだ蚊帳を開発しており、日本としても、この分野で出来ることがありそうです。

今年、コロナとマラリアの二方面作戦を強いられるアフリカで、出来るだけ、多くの子どもの命が救われることを、祈らざるをえません。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。