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新法の導入により厳しい立場に追い込まれた香港の民主活動

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新法の威力

昨年7月に突如導入された香港の国家安全法はその後の香港の状況を大きく変えてしまった様です。

新型コロナ感染拡大を口実に香港当局はデモや集会を禁じたため、香港の抗議活動はその後殆ど見られなくなってしまいました。

当局の民主活動家への取締りは厳しさを増している様で、主な民主活動家は外国に脱出するか、当局に拘束されている様です。

英誌EconomistがHong Kong’s new security bill is being put to its biggest use yet(香港の新しい治安法、今までにないほど多くの目的に使われている)と題した記事を発表しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

中国が昨年香港に厳格な国家安全法を課して以来、コロナ感染のため制限されていた香港で抗議活動はめったに見られませんんでした。

しかし、3月1日、何百人もの人々が法廷の外に集まり、国家安全法に反対する最大のデモを行いました。

彼らは、著名な「政治犯」の釈放を求めるポスターを掲げ、スローガンを唱えました。

近くの小学校の生徒たちは、連帯して叫びながら教室の外に立っていました。

それは 多くの住民が押しつぶされたと感じているこの街においてまれな反政府抗議活動でした。

 

その前日、事件の一環として、47人が不正行為の容疑で起訴されました。

彼らには、「ロングヘア」として一般に知られているベテランの運動家である梁国雄など、香港で最も有名な民主化活動家の何人かが含まれていました。

政治家のレスター・シャム。学者の戴耀廷と、当時10代の顔が2014年の「傘運動」を象徴するようになった黄之鋒らも含まれています。

彼らは、香港政府の転覆を企てた陰謀などの罪で告発されています。

今回起訴されたのは、立法会の選挙のために民主派候補者を選ぶために昨年開催された非公式の予備選挙に関連しています。

この努力は、政府によって立法会の支配権を獲得し、政府を麻痺させる試みと見なされました。 (選挙は9月に行われる予定でしたが、新型コロナ感染を理由に、1年間延期されました。)

有罪判決を受けた場合、被告は最高終身刑に処せられます。

3月1日に開始された手続きは、保釈の申請に関連しています。

裁判自体は、あと数週間は開始されないでしょう。

治安維持法では保釈が拒否されるとの予測があり、この段階でも被告人にとって厳しい試練が待ち構えています。

彼らは食事と睡眠の時間を削って、何時間も続くセッションに耐えなければなりません。

身体的負担は明らかであり、そのうちの何人かは病院での治療を受けています。

3月4日、グループの15人のメンバーが保釈されました。

しかし、彼らは、釈放されれば国家安全保障に脅威を与える可能性があると主張する検察によって上訴まで拘留され続けるでしょう。

 

国家安全維持法に関する裁判は一つも結審していません。

したがって、曖昧に定義された中国本土スタイルの法律の特徴を備えた新しい法律が、英国の法の伝統が染み込んだ司法制度でどのように機能するか注目されます。

英国の外務大臣であるドミニク・ラーブは、この事件を「大変憂慮している」と述べています。

米国とEUは47人の活動家の釈放を求めました。

3月2日、香港の司法省は、検察官の決定は「政治的配慮なしに」行われたものであり、誰も彼らに干渉してはならないと述べました。

しかし、47人が起訴される数日前に、香港問題を監督する中央政府当局者である夏宝竜は、「反中分子」は「法の下で厳しく罰せられるべきである」と語りました。

共産党は香港の規則において例外かもしれません。

香港の問題を忘れてはなりません

香港の国家安全法が人々に恐れられているのは、その条文に曖昧な表現が多く含まれており、為政者の解釈次第で人々を投獄し、重罪に課す事が可能な点です。

陪審員抜きの非公開裁判も可能で、容疑者は簡単に保釈されない可能性が指摘されています。

中国は内政問題に干渉するなと香港やウイグルの問題に蓋をかぶせようとしていますが、民主主義国家は声を大にしてこの問題を追求すべきと思います。

自由で公正な選挙を通じて、自分たちの政府を選ぶ権利は誰にでもあるはずです。

そしてダメな政府は選挙によって交代させられる仕組みは、一党独裁より効率が悪いかも知れませんが、マシな制度だと思います。

抗議活動が少なくなったからと言って、香港の人々が自由な社会を忘れる筈はありません。

彼らが自由に発言ができる日が来る事を祈っています。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。