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台湾産パイナップルを禁輸した中国の品格

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パイナップル農家をいじめる中国

中国は台湾に対して圧力を強めていますが、最近台湾製のパイナップルの輸入禁止を決めました。

害虫が含まれていたことを口実にしていますが、明らかに蔡英文政権の揺さぶりを狙ったものと思われます。

米誌Foreign Policyが「Pineapple War Shows Taiwan Won’t Be Bullied by Beijing」(パイナップル戦争は台湾が中国に屈しないことを示している)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Foreign Policy記事要約

今月、中国は台湾のパイナップル輸入を禁止しました。

これは、中国が成長する経済的影響力をどのように武器として使うかを示す、民主主義国家に対する一連の懲罰的貿易措置の最新のものです。

台湾の最大の貿易相手国として、中国は台湾のパイナップル農家の輸出の9割以上を購入しています。

しかし、台湾は北京の制裁に対応し、「中国に対する民主連合」がバイデン政権の外交政策の最重要事項の一つとして急速に浮上しています。

 

バイデン米大統領は先週、その方向への第一歩を踏み出しました。

共同声明の中で、日米豪印戦略対話の指導者は、「民主主義の価値に支えられ、強制によって制約されていない」インド太平洋地域への支持を発表しました。

バイデン政権も台湾を強く支持しているようであり、米国務省は1月の声明で、ワシントンの台北へのコミットメントは「盤石である」と述べています。

中国の輸入禁止に対応して、台湾政府は「自由なパイナップル」のための陽気なキャンペーンを開始しました。

台湾の蔡英文総統以下、著名な台湾人は、果物をもっと食べることで中国に立ち向かうよう市民に呼びかけています。

「オーストラリアワインの後、不公正な中国の貿易慣行は現在、#台湾のパイナップルを対象としています」と蔡英文はツイートしました。

「しかし、それは私たちを止めません。 …農家をサポートし、おいしい台湾の果物をお楽しみください!」

世界のネット市民ははすぐに台湾の生産者を支援し、パイナップルケーキとパイナップルと海老のカクテルの写真を投稿しました。

台湾では、クリエイティブなレストラン経営者が新しいパイナップル料理を考案し、牛肉麺のスープなどの定番料理にパイナップルを追加しました。

台湾の米国特使は、台湾の農場でパイナップルを頬張っている写真を共有しました。

「自由なパイナップル」への連帯は、英国、デンマーク、インド、米国を含む世界の隅々から殺到しました。

 もちろん、海外からの支援のほとんどは精神的であり、経済的ではありません。

台湾の生産者が輸出先を変更するのに数日以上かかるからです。

たとえば、米国のほとんどのパイナップルは、ハワイとプエルトリコから供給されています。

しかし、北京に対する迅速で非常に大衆的な反発は、中国の経済的いじめの犠牲者との世界の民主主義の間の連帯感が高まっていることを示唆しています。

 

北京の経済戦術は新しいものではありません。

中国には、気に入らない国の民間産業を脅かしてきた歴史があります。

昨年の秋、中国はオーストラリアワインに高関税を課しました。

そのきっかけは、中国の人権侵害にスポットライトを当てた報道と、新型コロナウイルスの起源に関する独立した調査を求めるオーストラリアの呼びかけでした。

ノルウェーの養殖鮭産業も、オスロのノーベル委員会が中国の人権活動家劉暁波にノーベル平和賞を授与した2010年以来、被害を受けています。

2015年までに、デンマークの領土である小さなフェロー諸島でさえ、ノルウェー全体よりも多くの鮭を中国に販売しました。

ノルウェー政府が2016年に中国との共同声明に署名し、ノーベル平和賞に対する中国の懸念を認め、「中国の主要な利益と主要な懸念」を損なう行動を支持しないことを誓約した後、関係は解け始めました。

 

中国のいじめは輸入制限に限定されません。

これには、ドイツの5G通信ネットワークをめぐってドイツの自動車産業に対する圧力や、バンクーバーでファーウェイの幹部孟晩舟が逮捕された後、カナダの観光セクターに損害を与える警告を発した事、全米バスケットボールの幹部が香港民主派へ好意的なメッセージを送った後、試合放送がキャンセルされた事などが含まれます。

中国政府は、躊躇せずに民間企業に圧力を掛けます。

これらの経済戦術は、中国共産党の真実を曲げるための広範な情報戦略の1つの要素です。

 

残念ながら、主要な民主主義国は、独裁政権からの軍事侵略に対抗する準備に焦点を合わせており、経済的打撃への対応を怠っています。

防衛同盟のネットワークが自由秩序を支えていますが、民主主義国家は経済攻撃に対してもお互いをサポートする方法を見つけなければなりません。

では、何をすべきでしょうか?

今月初め、バイデン政権は、中国の不公正な貿易慣行と戦うために「利用可能なすべてのツール」を使用すると述べた新しい貿易政策を発表しました。

しかしどのツールがどのような状況で、どのように使用されるかは、未解決のままです。

中国には大国らしい態度を

中国政府の外国政府や民間企業に対する嫌がらせは大国としての品格を感じません。

中国が真の大国になりたいのであれば、弱いものいじめをやめる必要があります。

大国は多少の批判を受けても、さらっとそれを受け止める余裕がなければいけません。

それにしても台湾のパイナップル禁輸に対する対応は素晴らしいですね。

明るく制裁を笑い飛ばす台湾の蔡英文総統以下の反応は中国の大人げの無さをより鮮明に印象付けました。

皆さん、台湾産パイナップル買いに行きましょう。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。