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メッシの仏チームへの移籍が広げる大きな波紋

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メッシ移籍に大騒ぎのパリ

リオネル・メッシ選手パリ サンジェルマンへの移籍が決まりました。

世界一の選手移籍の報道を受けて、フランスではお祭り騒ぎになっている様です。

パリ サンジェルマンの来季の先発オーダーを想像するとため息がでます。

ブラジルのエース、ネイマール、フランスの若き帝王ムバッパにメッシが加わった攻撃陣は史上最強と言っても良いでしょう。

パリ サンジェルマンにはディ マリアというコパ アメリカ(南米選手権)で決勝点を挙げたアルゼンチンの名手も在籍しており、誰が出てもため息が出る様な攻撃を展開する事でしょう。

今から世界中のサッカーファンがわくわくして眠れなくなるのも無理はありません。

サッカーに興味のない方には、たかがボールを蹴っているだけのスポーツに大の大人が夢中になる事をご理解いただけないかと思いますが、サッカーの90分には筋書きのないドラマが詰まっており、天才が時折繰り出す人間業とは思えない様な妙技には、人生の苦労や悲しみを吹き飛ばす魔力が秘められています。

南米の国の中にはサッカーのスター選手が大統領よりも支持率が高いケースがあり、政治家はスター選手の人気にあやかって政権を維持しようとします。

私の愛するトルコでも、サッカー選手へのワクチン接種は最優先に行われました。

これは人心の安定にサッカーが有効である事を政府が認めているからだと思います。

ほとんどのフランス人はメッシのパリへの移籍を歓迎していますが、へそ曲がりが多いフランス人ですから中には冷ややかな視線を投げかける人もいます。

今日はそんなへそ曲がりが書いた仏紙Les Echosの​​「Lionel Messi : le prix du capitaine」(リオネル・メッシ:キャプテンの価格)という記事をご紹介しましょう。

Les Echos記事要約

リオネル メッシは間違いなく並外れた選手であり、知性を備えたボールアーティストです。

彼はもはやそれほど若くはなく、その価値は今後低下することを私たちは知っています。

しかし、彼は未だに素晴らしい才能と経験を持っています。

要するに、彼の足には大きな価値があります。

しかし、実際にはその価値はどれくらいでしょうか?

それは、正味4000万ユーロ(約52億円)の年間報酬と言われています。

あえて比較すると、CAC40(フランスのトップ企業40社)の社長が税引き前に平均して稼ぐ額の約10倍です。

衝撃的な差があります。

この40社の中には40万人の自動車従業員の運命を担当するステランティスやユーロ圏の大手銀行であるBNPパリバ、水素革命の最前線にいるエア・リキードなどが含まれます。

この三人の報酬を合計したものよりもアルゼンチンの天才選手は多くを稼ぐのです。

 

確かに、パリへの到着がCNNでライブで追跡されたメッシの報酬は、市場の論理に従っています。

彼のチームメイトであるネイマールの収入は3500万ユーロ(約45億円)であるため、彼の給料はサッカーの世界ではそれほど特別なものではありません。

私たちの調査が示すように、この価格でさえ、アルゼンチンのプレーヤーはパリサンジェルマン(PSG)にとって優れた投資です。

その投資は、PSGとその派生商品の顧客になるであろう何千万ものファンを目覚めさせます。

メッシはすでに25億ドルと見積もられている「PSGブランド」の価値を世界的に高めています。

サッカー市場では、メッシのような資産は​​まれであるため、価格が高騰していることは不合理ではありません。

PSGのメッシはまた、フランスのサッカーリーグ全体でより多くのテレビ視聴者を獲得する可能性があり、長期的にはより高い収入が得られます。

 

大企業の取締役の報酬は独自の論理によって決定されます。

それは、正確な業績基準で取締役によって精査され、株主によって検証されます。

サッカーの世界とビジネスの世界の違いは、リーダーの給与の評価が前者に肯定的であるのに対して、後者に対して厳しい事です。

サッカーのエースが高価である事を認めるとしても、特に現在の様な経済の混乱の時代に、経済界のの偉大な指導者たちも貴重であることを認識しましょう。

至宝メッシを失ったスペインサッカー界

メッシは入団以来、バルセロナ一筋でやってきた選手です。

彼自身バルセロナに強い愛着を持ち、終生プレーを続ける事を希望していました。

しかし彼がフランスのクラブへの移籍を決断せざるを得なかったのは、スペインのサッカーリーグである「リーガ」が最近導入した給与総額を制限する制度でした。

サッカー選手の給与は年々高騰しており、スペインのチームはどこも赤字で苦しんでいます。

チームの健全経営のために取り入れられた選手の給与総額を制限するルールの導入が結局、メッシを追い出す原因となってしまいました。

給与総額を制限すれば、有能な選手を集める事ができません。

メッシの様な常にチャンピオンズリーグ(欧州クラブ選手権)で優勝を狙っている様な選手はその様な環境に我慢する事はできません。

リーガは今頃失敗したと反省しているかも知れません。

サッカー界の至宝を放出する理由を作ってしまったのですから。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。