割安な国日本
明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
今年が皆さんにとって良い年になる事をお祈りします。
コロナが沈静化し、昨年は本格的に海外出張を再開しましたが、外国に行って感じる事は、海外の物価が高くなった事でした。
以前は日本に比べて随分割安に感じたトルコの物価も決して安いと感じなくなりました。
この原因は円安が大きいのですが、インフレ率が海外に比べて圧倒的に低いのも日本が割安に感じられる理由となっています。
そんな日本に熱視線を送っている国民がある様です。
日本への移住を計画する人が急増する中国について米誌ウォールストリートジャーナル(WSJ)が「Wealthy Chinese, Fed Up at Home, Find a Haven in Japan」(自国にうんざりした中国富裕層日本に棲家を見つける)と題した記事を掲載しました。
かいつまんでご紹介したいと思います。
WSJ記事要約
【小樽(日本)】不動産仲介業者や中国人コミュニティの人々によると、富裕層中国人の日本への移住が増えている様です。
北海道で不動産ブローカーをしている石井秀幸氏は、最近、日本への移住の足がかりとして不動産を購入したい中国人からのリクエストが殺到していると語りました。
クライアントの 1 人は Amanda Wu さん(62 歳)です。
彼女は国有企業の元幹部で、海外の不動産投資で裕福になったと言います。
中国でのコロナ流行に伴う規制と、制限された自由に関する懸念などの理由により、彼女は日本に目を向けました。
「ロックダウンは厳しいものでした」とウーさんは語りました。
渡航制限がほぼ解除された今も、彼女は日本にとどまる予定であると述べました。
そして彼女は、友人たちの間で日本への移住への関心がこれまで以上に高まっていると語りました。
「中国が現在の国境管理の解除を維持する限り、短期滞在または長期入国のいずれかを目的として、今後中国人が日本に押し寄せる事は間違いありません。」とウーさんは述べました。
彼女は11月から、雪に覆われた港町小樽の4LDKの家に住み、約30万ドル相当(約4千万円)で購入した12の物件を管理しています。
ウーさんは以前は観光客として日本を訪れていましたが、今回は経営管理ビザで入国しました。
最近このビザで入国する中国人は増加しており、ビザは少なくとも 1 年間有効で、更新可能です。
日本人は近所に外国人が移り住む事を快く思わない事もありますが、この国には、犯罪率の低さ、きれいな空気、円安によって更にお買い得になった物件などの魅力があります。
日本に30年近く住んでいる中国人実業家のワン・チン氏は、日本への移住を希望している中国の友人の中には、コロナ規制や政府の強引な政策により追い詰められている人がいると語りました。
彼女は、当局者が友人の高級マンションに押し入り、友人の所有物に消毒剤を噴霧し、高価なバッグを台無しにした例を挙げました。
「どんなに裕福であっても、彼らの人権は守られていませんでした」とワンさんは言いました。
新型コロナの制限が解除されても、日本への移住を後押しする要因の多くは変わらないと信じていると語りました。
彼女は、渡航制限が緩和されることで、人々が移住計画を更に実行しやすくなると述べました。
中国から外国人を受け入れている国は日本だけではありません。
北京のシンクタンクによると、米国が約290万人と最も多くの中国人移民を抱えており、次いで日本が78万人、そしてカナダとオーストラリアが続いています。
この数字は、中国国民の数を示しており、これらの国の華僑の市民は含まれていません。
最近、アメリカの入国管理が厳しくなったことで、日本を検討する人が増えています。
外国人が、不動産の購入や不動産管理事業など、日本を拠点とする事業に500万円以上を投資した場合、経営管理ビザを取得できる可能性があります。
対照的に、同様のビザで米国に入国するためには最低でも 80 万ドル(1億1千万円)必要です。
中国人に人気のある別の目的地であるシンガポールでは、最低でも約 185 万ドルが必要です。
大陸と朝鮮半島からの移民によってもたらされた中国文化は、文字体系、稲作、仏教など、日本文明の多くの基礎を形成しました。
20 世紀初頭、中国が政治的、社会的に不安定になった別の時期に、多くの教育を受けた中国人 (革命指導者の孫文を含む) が日本に住んでいました。
コロナ感染の数年前に、何百万人もの中国人が観光客として日本を訪れました。
東京、大阪、京都で滞在用の物件を購入したり、商業用不動産に投資したりする人もいました。
日本のビザサービスプロバイダーは、春に何ヶ月も続いた上海のロックダウンと権威主義的指導者である習近平の任期が10月に延長された後、中国からの問い合わせが急増したと言います。
「人々は、いつ逮捕されるかわからない不安を抱えています。 だから『移住しよう』と考える人もいる」と、東京で不動産会社を経営する中国人男性は語りました。
ウーさんが住む小樽市では、人口が減少し空き家が多いのですが、「小樽で家を買うのにかかる費用では、北京ではトイレすら手に入れることができません」と彼女は言いました。
トイレも買えない
この記事の中で最も印象に残るフレーズは最後の「小樽で家を買うのにかかる費用では北京ではトイレも買えない。」です。
1990年代初頭、ジャパンアズナンバーワンと言われた頃には、東京都を全部買い上げる金があれば米国全部が買えると言われた事もありましたが、日本の凋落ぶりには改めて驚かされます。
最近、昔よく通った東京丸の内の食堂に行って鶏鍋定食を食べたら20年前と同じ900円でした。
丸の内のど真ん中にあるビルでこの価格です。
中国人富裕層からしてみれば日本の物価はかなり安いと感じられている筈です。
中国人富裕層は国民の約1割と言われていますが、それでも1億人を優に超えます。
彼らが日本への移住を虎視眈々と狙っているのが現状といえます。
日本の経営管理ビザとやらが、移住への垣根を低くしている様です。
確かに円安を食い止め、地方の過疎化を阻止する上で、中国人の日本への移住は役に立つと思います。
でも程度問題で近所中、中国人だらけになるのは出来れば避けたい様な気もします。
不動産を外国人に売る事もありだとは思いますが、外国からの投資を他の分野に呼び込む様な施策が必要な気がします。
最後まで読んで頂き有り難うございました。