トルコの感染者増加
4月1日だけでもトルコの感染者数は2,148人増え、合計で14,396人となりました。死者も63人増え累計で277人となりました。日本の皆さんはトルコは日本に比べてかなり深刻な状況にあると思われる方も多いかも知れませんが、日本は意図的にテスト数を抑えていますので、感染者数が増えないだけであって、実際の感染者数は公表している数字より遥かに多いと推測されます。日本のテスト数は全国で1日2千件程度ですが、トルコは一万件以上やっていますので、この点考慮する必要あります。
アフリカでの感染者急増
トルコで急速に伝染が拡がる中、心配されるのはアフリカです。日本はアフリカから遠いのであまり情報が入ってきませんが、トルコからアフリカに出稼ぎに行く人は多く、実はトルコ航空は世界の飛行機会社の中で最もアフリカ路線が多い会社です。そんなアフリカでも感染者が急激に増加している様です。皆さん、アフリカ大陸って人口どのくらいか知ってますか。実は13億人以上住んでいるんですよ。この大陸の状況を今朝フランスのテレビ局France24で確認すると、予想以上に感染が進んでいることに驚きました。南アフリカがロックダウンしている事は知っていましたが、アフリカ最大の都市ナイジェリアのラゴス(二千万人)も都市封鎖していました。北アフリカのみならずサブサハラにも感染者が拡がっている様です。
アフリカでの感染者増加の理由
今後アフリカでの感染は間違いなく急速に進むと思われますが、今後アフリカには大きな危機が訪れる事が予想されます。具体的には下記の様な問題があります。
- アフリカはただでさえ様々な伝染病(エイズ、マラリヤ、結核など)と戦っています。その上にコロナウイルスが襲いかかったら、対応の仕様がありません。手を洗えと言われても上下水道が整備されていないアフリカでは手洗いさえできないのです。
- アフリカには先進国の様な充実した医療設備はありません。容易に医療システムが崩壊しますので、重症化は死を意味します。今後急速に犠牲者が増える事が危惧されます。
- 先進国は今後確実に訪れる不況に耐える体力があります。失業者には失業保険が給付されるでしょう。しかし経済弱者であるアフリカの政府にそんな余裕はありません。現実にチュニジアなどでは、既に反政府デモが発生しており、長期のロックダウンは維持が難しくなっています。
- 更にまずいのはアフリカの収入源が石油や鉱物資源などの天然資源に偏っている点です。原油価格が急落していますが、今後長期間続く不況は天然資源価格の低迷をもたらし、アフリカに経済恐慌をもたらしかねません。
- アフリカ各国の政権はただでさえ不安定です。今後不況と伝染病蔓延のダブルパンチで国民の不満は政府に向かう事となると予想され、暴動の多発やイスラム原理主義者の活動が活発化する事が危惧されます。
南北問題の深刻化
この様な状況を少しでも改善するには先進国の経済的支援が必須ですが、コロナウイルス対策で先進国もそれどころではないのが現状です。今後アフリカ支援は比較的余裕のある中国を軸に進められる事が予想されます。日本を含めた西側先進国がアフリカに手を差し伸べなければ、アフリカ諸国は先進国い対する不満を募らせる事は確実です。今回コロナウイルスが残す爪痕の一つは南北問題の更なる深刻化だと思います。
以上
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