オリンピックは本当に出来るの?
東京オリンピック、パラリンピックは来年に延期されました。本当に実施されるでしょうか。私はスポーツ大好き人間ですので、是非実施して欲しいのですが、客観的に見るとかなり厳しいと思います。その理由は下記の通りです。
- 欧米先進国では新規感染者の伸びが弱まりつつあるが、発展途上国での伸びが大きく、世界の感染者数は今も右肩上がりに上昇しています。(下記AFPリンクご参照。https://www.afpbb.com/articles/-/3278301?cx_part=related_yahoo)
- 今回のコロナはシンガポールなど熱帯に位置する国でも感染が広がっており、夏場になっても勢いが衰えない可能性が高い。
- 経済と感染抑制の為のロックダウンはトレードオフの関係にあり、今後各国とも経済を生きながらえさせる為にロックダウン解除を行っていく事になりますが、この解除は感染の第二波、第三波を招きかねません。
- ワクチンや効果的な新薬の開発には相当時間がかかります。また集団免疫を得るのも相当な時間を要します。
- 肝心の日本のコロナ対策に関して、各国より疑問の声が上がっています。
外国人の日本での体験談
今日は上記最後の項目として挙げた日本のコロナ対策に関する英国BBCの記事を取り上げたいと思います。東京の特派員がコロナの症状を示した外国人がどれだけ苦労してPCR検査にたどり着いたかを報じたものですが、要約すると次の様になります。
- 日本のPCR検査数は驚くほど少ない。東京を例にとると、2月以降1万人強しか検査を受けておらず、その内、4千人強が陽性だった。この検査数の少なさと陽性率の高さは驚異的である。検査数については、ドイツや韓国と比べ、桁を間違えているのではと思われるほどの少なさだ。
- 日本在住の外国人がコロナと思われる症状を発症した。彼女は日本語が不自由なので、東京で翻訳業を営んでいるアメリカ人の女性に手助けを頼んだ。彼女がアプローチした病院や保健所の対応が外国人にとっては非常に不可解なものである事が明らかになった。
- 彼女は、日本でPCR検査を受ける事がいかに難しいか、保健所の対応に問題ある事、病状が悪化して救急車を頼んでも、受け入れてくれる病院を探すのに2時間も掛った事、PCR検査を受ける際は病院の裏口から入り、検査に来た事は病院内で一切口外しない様にと口止めさせられた事などを伝えている。
日本政府の説明責任
以前のブログでコロナに感染した際の外国人旅行者の抱く不安について触れましたが、
今回のBBCの記事により、「日本でコロナに感染すると、病院はたらい回しにされるし、検査も受けさせてくれないし、とんでもない事になりますよ」と世界中に発信されちゃってます。日本の医療関係者は、医療崩壊を避ける為に、最善を尽くしておられ、その努力は高く評価したいと思いますが、日本政府はPCR検査数がこれほど少ない理由を対外的に説明し、誤解を解く努力を行う必要があります。BBCの様な国際的に影響力のあるメデイアがこの様な報道をすれば、誰もオリンピックを観に行こうなどと思わなくなります。ロンドンのキングズカレッジ渋谷教授は、日本政府の対応に関して問題点を下記の様に指摘しています。
- 日本政府が新型コロナを指定伝染病にいち早く指定してしまった事が問題である。指定伝染病に感染が判明すると、即座に入院隔離処置を取らないといけなくなってしまう。ベッド数に余裕がないので、医療崩壊を防ぐ為、検査数を意図的に抑えた。
- 今回のコロナの問題は症状がない感染者が感染を起こす事であり、検査を受けていない無症状や軽症の感染者が院内感染を起こしてしまっている。
米国政府も帰国を勧める
日本政府はこういう批判に対して、しっかり説明を行う必要があります。死者数が他国に比べれば少ないから日本はよくやっているとの議論が一方にありますが、感染した際に必要な検査、治療を迅速に行ってもらえる体制が整っていないと、外国人は日本を敬遠しかねません。日本の検査体制に関する不安はBBCだけではありません。駐日米国大使館も一時的に日本を尋ねている米国人に対して、日本は感染状況を十分把握できていないとして、帰国を呼びかけています。あれ程多くの死者を出している米国がそんな事言えるのと思われるかもしれませんが、日本の検査体制に関する懸念は国際的に拡がりつつあります。外国人が日本滞在中に万一感染しても、万全の体制でケアしてくれるという国際的評判を打ち立てないと、オリンピック開催は難しいと思います。
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