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オミクロンに対する欧州の対応

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二転三転した水際対策

先月、日本の新型コロナ感染者が急速に減少した頃、政府も水際対策の緩和に動きました。

隔離期間は最低3日間に短縮されました。

しかしそこで新たな難問が登場しました。

新しい変異株オミクロンです。

感染力がデルタよりも高いと言われるこの変異株の出現のために、日本の水際対策は逆戻りどころか、在留資格のある外国人の再入国さえ認めない、事実上の鎖国状態となりました。

同じ先進国である欧州のオミクロンに対する対応はどうだったのでしょうか。

仏紙Les Echosが「Covid : face à Omicron, le retour désordonné des restrictions de voyage en Europe」(オミクロンに直面したヨーロッパ各国の渡航禁止令に足並みの乱れ)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Les Echos記事要約

イタリアは火曜日、オミクロンの異変株の急速な蔓延に直面し、木曜日のEU27カ国首脳会談の前に、入国条件の強化を発表しました。

木曜日の時点で、イタリアでは、完全にワクチン接種されている欧州連合(EU)からの訪問者を含め、到着時にすべての訪問者にPCR検査が必須となりました。

EUからの訪問者は「欧州健康パス」の創設以来免除されていました。

ワクチン未接種のEU国民も、世界の他の地域からの訪問者と同様に、到着時に5日間の隔離を行う必要があります。

感染率は住民10万人あたり200人をわずかに上回っており(ヨーロッパの平均の2分の1)、イタリアは今のところオミクロンの感染を比較的免れています。

イタリア政府が今回導入した措置はできるだけ多くの追加接種を行う時間を稼ぐことを目的としています。

このイタリアの突然の措置はヨーロッパを驚かせました。

国境での制限については、加盟国は、他の国と委員会に48時間前に「可能な限り」通知するという点について一年前に合意していたからです。

 

ギリシャも日曜日からワクチン接種されたヨーロッパ人にも入国事検査を行う事を発表しました。

イタリアとギリシャはポルトガルとアイルランドに加わり、入国時にPCRテストが必要です。

フランスは、、木曜日に、オミクロン変異株が広がっている英国など非EU諸国との旅行条件の強化を発表しました。

旅行者の「やむを得ない理由」を正当化する義務は、土曜日に復活しました。


最近の出来事は、緊急時に、国はEUが決めた原則から解放されることを示しています。

イタリアのドラギ首相は、彼の決定に驚いた他のEU加盟国に対し、2020年に彼の国が支払った重い人的被害を思い起こさせる事で自らの判断を擁護しました。

 

欧州疾病予防管理センター(ECDC)は水曜日に、ワクチン接種は依然として「鍵」であるが、感染を防ぎ、医療制度への負担を軽減するためにそれだけでは「十分ではない」と警告しました。

テレワーク、マスクの着用、交通機関や公共スペースの混雑の制限などの対策の迅速な再導入を推奨しています。

やっかいな新規変異株の発生

厳しくなったとは言え、鎖国状態の日本に比べれば、かなり甘いのが欧州の現状の様です。

新規感染者が7万人を超えた英国に比べ、日本の本日(16日)の新規感染者数は190人と素晴らしい数字を記録しています。

これはG7で最も高いワクチンの接種率と、厳しい水際対策が功を奏している結果だと思います。

オミクロンは日本でもいずれ感染が広がると思いますが、出来るだけ3回目のワクチン接種を進める時間を稼ごうというのが当面の政府の作戦だと思います。

最も高齢化が進んでいる日本ではこの作戦が妥当だとは思いますが、海外とビジネスを進めようと考えている企業にとっては、これが大きなハンディになる事は間違いありません。

今後もオミクロンの様な新しい変異株が現れるために、隔離期間が延長されるとなると、安心して海外出張に出れません。

特にトップ外交は今の状況では無理でしょう。

急に2週間社長が帰国後隔離されるとなると、会社が回りません。

私もこれからイスタンブールから帰国ですが、上手くいっても2週間の自宅隔離が待っています。とほほ。

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。