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酒もタバコも好きなスペイン人が長生きな訳

南欧は意外にも長寿国

日本は長寿国として有名ですが、欧州も負けてはいません。

欧州の中では所得の高い北欧が南欧に比べてより長寿と思われますが、実は南欧も長寿という点はあまり負けていない様です。

昼間から酒を飲んでいる様な南欧の人々は不摂生の様な気がしますが、統計は彼らが長寿である事を示しています。

この点について英紙エコノミストが「Why southern Europeans will soon be the longest-lived people in the world - Diet and exercise, but also urban design and social life」(南欧人がまもなく世界で最も長生きする人々になる理由ー食事と運動だけでなく、街のデザインと社会生活も重要だ)と題した記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要約

マドリード中心部の短い通り、カジェ デ ジョルダンは、人間の一生のサイクル全体を網羅しています。

1 つのブロックには赤ちゃん不足に悩む国に多く見られる不妊治療クリニックがあり、さらに 1 ブロック下には、年金受給者向けのデイ サービスがあり、記憶力トレーニングや移動支援などのサービスを提供しています。

60 代の女性が 90 代の母親をそっと玄関まで連れて行くのもよく見かけます。

 

ワシントン大学の健康指標評価研究所は最近、2050 年の国別の寿命予測を発表しました。

長寿国上位 20 位には、スイスやシンガポールなどの裕福な国が含まれています。東アジアには、長寿国として長年リーダーを務めてきた韓国と日本もあります。

しかし、比較的貧しい国々も長寿に寄与しています。

スペイン、イタリア、フランス、ポルトガルです。

存命中の最高齢はスペイン人のマリア・ブランヤス・モレラ(117歳)です。

健康と長寿は当然ながら一人当たりGDPと相関していますが、なぜスペインの平均寿命(2050年には85.5歳)がデンマーク人の平均寿命(83.5歳)よりも長いのでしょうか?

 

多くの人が「地中海ダイエット」、つまり魚、全粒穀物、新鮮な果物、野菜、オリーブオイルを指摘します。

しかし批評家は、ポルトガルとギリシャでは食生活が大きく異なると指摘します。

さらに、研究者は今日の地中海の人々がその様な食生活にさほど固執していないことを発見しています。

スペインの広場は、揚げた魚や塩漬けハムを食べ、ビールを飲んでいる人々で溢れています。

スペイン人はヨーロッパの平均よりも酒やタバコをより消費しています。

人々が長生きする地域について数冊の本を執筆したダン・ビュートナー氏は、人々がなぜ年を取るのかを理解するには、今日の習慣ではなく、人々が穀物、豆、塊茎が中心の「農民の食事」を食べていた半世紀前の習慣に目を向ける必要があると指摘します。

サルデーニャ島の「ブルーゾーン」(100歳以上の高齢者が多い地域の呼称)に関する最近の研究では、ドングリと粘土で作ったパンや昆虫の幼虫で作ったチーズなど、「飢餓の食べ物」が食事に含まれていることがわかりました。

最も有名な魚製品は塩漬けの干しボラ卵巣で、内陸部の羊飼いは新鮮な魚をめったに食べませんでした。

 

羊飼いの過去は、別の要因、つまり移動を指し示しています。

2017年の調査によると、スペイン人の1日あたりの歩数は5,936歩で西ヨーロッパをリードしています。

スペインのように誰もが適度に運動している国では肥満率が低く、肥満関連疾患による死亡率は低下しています。

スペイン人はなぜそんなに頻繁に移動するのか?

スペインの都市は人口密度が高く、生活必需品のほとんどが徒歩圏内にあり、これが活動レベルの高さに繋がっています。

 

しかし、食事や運動を強調するだけでは、全てを説明できません。

スペインの街の歩きやすさは、社交生活にもよく、街は、友人、家族、同僚が座って、食事や飲み物を楽しみ、話をする広場を中心に作られています。

社交的な接触は身体的、精神的健康にとって極めて重要であることがわかっています。

 

世論調査会社ギャラップとソーシャルメディア会社メタによる最近の調査によると、スペイン人の76%が「非常に」または「かなり」社会的に支えられていると感じていると答えています。

これは平均以上だが、トップではありません。

スペイン人は職場でかなり不満を持っており、新聞エル・パイスの見出しは、スペインは「住むには最高の国だが、働くには最悪の国」という内容で、ほぼ正しかったと皮肉を言います。

しかし、仕事がすべてではありません。

スペイン人は、過去 1 週間に友人や家族に会ったかどうかという質問で、世界で 4 位でした (ギリシャは 2 位)。

これは、多くの南欧の若者が両親の家から出られるほど良い仕事に就けないという事実の、意外なプラス面かもしれません。

金融危機やパンデミックのような困難な時期を含め、家族の絆は固いままです。

 

南欧諸国は幸福度で最高点を獲得しているわけではありません。

そのタイトルは長い間デンマークとフィンランドが保持してきました。

しかし、幸福度評価では、短期的な笑顔や笑いよりも長期的な生活満足度を重視している。そのような楽しい感情は、ラテンアメリカ人が最も頻繁に報告しています。

スペインはヨーロッパレベルの富 (幸福の最良の予測因子) と医療 (人々の生命を維持する) を備えており、ラテンアメリカ人と文化的特徴を共有している。つまり、今を生き、友情と家族を大切にするというものです。

働くには最悪だが、住むには最高の国

著者もスペインが好きで良く訪れますが、人間関係が濃いのには驚かされます。

現在滞在中のトルコもそうですが、友人との付き合いを非常に重要視します。

これは地中海地方の民族の特徴なのかもしれません。

ドライな人間関係の方が良いという人も多いですが、スペインやトルコの人は正反対のウェットな性格を持っており、家族、友人を大事にし、時にはやりすぎではないかというほど構ってくれます。

孤独というものはおそらく老人にとって最大の敵ですので、濃密な人間関係が彼らを長寿にしているのかもしれません。

歳を取ったら是非スペインに行きましょう。

確かに働くには最悪かもしれませんが、住むには最高の国です。

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。