コロナに明け暮れた昨年
新年明けましておめでとうございます。
昨年はコロナが猛威を振るった一年でした。
年初に武漢で新しいウイルスが見つかったとの報道を耳にした時に、これほど大きな災禍になるとは予想もしていなかったのですが、感染症というのは本当に恐ろしいものです。
医学の進歩は目覚ましいものがありますが、人類の叡智を持ってしても、今回のウイルスを封じ込める事は不可能でした。
ウイルスは人類の講じる措置を予測でもしているかの様に、その裏をかいてきます。
昨年末に発見されたウイルスの亜種がその一つです。
英誌Economistは「What the new variants of covid-19 mean for human health - Between now and when vaccines are widely available countries will face some hard choices」(新型コロナの新しい変種は人間の健康にとって何を意味するか -ワクチンが広く利用可能になるまでの間、国はいくつかの難しい選択に直面するでしょう)と題した記事を発表しました。
かいつまんでご紹介しましょう
Economist記事要約
冬至は過ぎたかもしれませんが、新型コロナの夜はまだ長くなりそうです。
ここ数週間で、コロナウイルスの2つの変種が、英国と南アフリカで猛スピードで広がりました。
それらはより強い感染力を持つ様に突然変異しました。
これまでのところ、それらは致命的ではないようですが、英国で古い変種が感染する10人ごとに、新しい変種が15に感染します。
初期のデータは、南アフリカの変種が同じように激しく感染することを示唆しています。
ちょうど今、世界はワクチンの承認、製造、投与に焦点を当てています。
悲しいかな、ワクチンがが救済を与える前に、新しい変種が広がり、政策立案者に深刻な困難をもたらすかもしれません。
生物学者は突然変異の出現に肩をすくめました。
これはウイルス独特の振る舞いです。
自然淘汰はより伝染性が高く致命的でない変異体をウイルスが好むからです。
一般的な風邪を引き起こすウイルスの中には、Sarsウイルスと同じくらい悪質なものもありますが、弱いものもあります。
より伝染性の高い新型コロナウイルスの変種は、医療体制を機能麻痺に陥れる可能性があります。
イギリスでは、人口の大多数が数週間ほぼ完全に封鎖されています。
それでも、病院の新型コロナ患者は現在、4月のピークを超えており、医療体制は対応に苦慮しています。
ヨーロッパやアメリカを含む世界の他の地域の多くは、まもなく英国に続くでしょう。
12月中旬、科学者が新しい変種の出現を発表するとすぐに、50か国以上が英国からの旅行者を急いで入国禁止としました。
多くは南アフリカからの到着便も禁止しています。
しかし、そのような対策は気休めにしかならないでしょう。
旅行が禁止される前の11月初旬、世界で最も外国と緊密につながっている都市の1つであるロンドンでは、新型コロナウイルスの変種がすでに症例の30%近くを占めていました。
昨年の冬にアルプスのスキーリゾートから、夏にスペインから初期の変種がどのように広がったかを考えると、ヨーロッパ中やそれ以外の地域ではまだ症例が潜伏中ではないと信じるのは愚かです。
新しい英国の変種は感染開始後数週間以内に元からあった株を置き換える可能性があります。
これまでのところ、アメリカを含む20か国ほどで散発的な症例しか発見されていません。
しかし、それは、英国や南アフリカとは異なり、ほとんどの場合、ゲノム技術を使った変種の特定をほとんど行わないためです。
フランスは、パンデミック全体で、ウェールズが1週間に行うよりも少ない回数でしかウイルスを検査していません。
ほとんどの国はまったく検査していません。
したがって、より伝染性の高い変種が検出されずに広がっている可能性があります。
幸いなことに、これらの変異が病気にかかった人を再感染させたり、新型コロナワクチンを失効させたりする可能性は低いです。
自然淘汰は、ますます多くの人々が接種されるにつれて、最終的にはそれを変え始めますが、ワクチンは効果を維持するために微調整することができます。
Pfizer-BioNTechワクチンを使用すると、微調整プロセスはわずか6週間で完了します。
しかし、ワクチンの供給を蓄えているほとんどの先進国でさえ、少なくとも夏まで、ウイルスの拡散を止めるのに十分ではありません。
今週のアストラゼネカ社のワクチンに関する緊急承認は役に立ちますが、それでも遅れが生じています。
貧しい中所得国は、ずっと長く新型コロナから保護されない状態になります。
人々は、より伝染性の高いウイルスを阻止するために必要な厳しい封鎖からの利益と、学校教育、経済への影響を総合的に勘案することによって、この急速に変化する現実に対処することを余儀なくされるでしょう。
トンネルの終わりにはまだ光があります。
しかし、それを通る道ははるかに危険になっています。
今年こそ新型コロナを克服したい
今年のお正月はどこの家庭でも普段とは違ったものになった筈です。
年末の紅白歌合戦は史上初めての無観客で行われ、初詣客も敬遠され、駅伝の街頭応援も禁止されるなど、人が集まるイベントはことごとく制限されました。
このまま行けばオリンピックも開催が危ぶまれます。
私もオリンピックを心待ちにしている一人ですが、開催ありきで強引に進めるのではなく、自然体で開催の可否は決断してもらいたいと思います。
人が動けば、感染は広がります。ましてや世界中の様々な地域から変種が持ち込まれれれば、日本の医療体制は崩壊の淵に立たされます。
新年早々、コロナの話題で恐縮ですが、今年こそ人類がこの災禍を克服し、皆様の一年が幸せに満ちたものになる事を心よりお祈りします。
最後まで読んで頂き、有り難うございました。