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中東湾岸諸国を席巻する中国製ワクチン

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中東でワクチン接種進む

日本での感染者数はここのところ急速に増加しています。

非常事態宣言を出さざるを得ない状況に追い込まれた日本ですが、こうなるとワクチンに対する期待が否が応でも増します。

二月末から接種が開始されるとの日本政府説明ですが、世界には日本より遥かに速いスピードで接種を行っている国があります。

先日ご紹介したイスラエルがトップを走っていますが、その後を追っているのが、意外にも中東のアラブ首長国連邦バーレーンの様です。

彼らは何と中国製のワクチンを使用していると伝えられています。

英誌Economistが「Bahrain and the UAE are relying on a Chinese-made vaccine」(バーレーンとアラブ首長国連邦は中国産ワクチンに依存している)と題して記事を掲載しました。

かいつまんでご紹介したいと思います。

Economist記事要旨

至る所にあるマスクのほかに、ドバイへの訪問者は感染の痕跡を見つける事が難しいでしょう。

バーやショッピングモールは多くの客を迎えています。

昨年春に5分の4が空だったホテルは、12月に70%の稼働率を記録しました。

観光客は自国でのロックダウンから逃れるためにドバイに群がりました。

ドバイは集団免疫への道を順調に進んでいるようです。

ドバイが属しているアラブ首長国連邦(UAE)は、一人当たりの予防接種で世界第2位にランクされています。

1月13日までに、イスラエルに次いで、100人の居住者ごとにほぼ13回の投与が行われました(グラフを参照)。

UAEは4月までに人口の半分に接種することを目指しています。

別の湾岸諸国であるバーレーンは、3番目にランクされています。

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出典:Economist

彼らの初期の成功の理由は、どちらも小さな国である事です。

バーレーンの居住者は200万人未満、アラブ首長国連邦は一千万人未満です。

両国の居住者は、アプリで接種を申請できます。

多くの欧米諸国では、予防接種の順番を規定する詳細な規則があり、配布が遅くなる可能性があります。

バーレーンとアラブ首長国連邦は、すべての来場者にそれらを提供しています。

おそらく他国との最大の違いは、バーレーンとアラブ首長国連邦が、中国国営企業であるシノファームが製造したワクチンに依存していることです。

彼らは早い段階で、他の国では懐疑的に見られていた中国製品を採用し、集団免疫の推進を加速させました。

それはまた、ワクチン外交をくり広げる中国との関係を深めました。

主に湾岸諸国のおかげで中国製ワクチンは信頼を得ようとしています。

UAEは、7月に31,000人のボランティアにより後期試験を開始しました。

バーレーンも8月に治験を開始しました。

両者は、86%の効果があると宣言した後、12月にそれを承認しました。

しかし、彼らはその承認を裏付けるデータを公表していません。

湾岸の当局者は、それはシノファームの決定により 「私たちにはこの種の情報を開示する権利はありません」と言います。

このワクチンに対して、一部の国は依然として懐疑的です。

たとえば、ブラジルの科学者は1月12日に、Sinovacによって製造された別の中国のワクチンは50%しか効果がなく、最初に報告された78%をはるかに下回ると発表しました。
中国製ワクチンの接種に関して、これら湾岸諸国が警察国家であることも役立ちます。

UAE政府は、ワクチンについての「うわさ」を広める行為を罰すると警告しています。

アラブ首長国連邦の首都であるアブダビは、地域全体にワクチンを配布するためのハブになることを目指しています。

UAEが最も関係が深いのは中国です。

今年後半には、シノファームのワクチンの投与から製造に移行します。

それは、接種へのアクセスが不均一になる地域でのワクチン外交を活発化させます。

エジプトは、湾岸諸国全体の人口の2倍にあたる1億人に接種を必要としています。

事実上破産しているレバノンは、来月ファイザーからわずか60,000回分のワクチンを接種する予定です。

アラブ首長国連邦でのシノファームのワクチン製造は、中東全体での採用につながる可能性があります。

それは中国を喜ばせるでしょう、

長い間西洋のパートナーであった湾岸諸国は、近年、中国との関係を強化することを目指してきました。

アラブ主張国連邦の国営通信会社は、Huaweiに5G契約を授与しました。

同国はリビアで中国製の攻撃ドローンを使用するなど、軍事関係も拡大しています。

アラブ首長国連邦がシノファームを採用することで、彼らはさらに近づきます。

この関係において、ソーシャルディスタンスはありません。

中東における中国プレゼンスの高まり

これほど中国が湾岸諸国に接近し、湾岸諸国もそれを受け入れているとは知りませんでした。

米国ではシェールオイルの開発が進み、エネルギー資源の自立を達成したため、米国にとっての中東の存在意義は薄れました。

一方で、経済成長著しい中国にとって、資源国の中東は益々重要になってきています。

この関係がワクチン外交においても如実に現れた格好です。

新型コロナは元を正せば、中国が広めたのではないかと非難したい気持ちはわかります。

私もそう言いたいですが、世界的に感染が広がる状況下、コロナを収束させるためには中国製だろうがロシア製だろうが役に立つものは何でも使うしかありません。

一番大事な事は、コロナの感染拡大を食い止める事です。

 

最後まで読んで頂き、有り難うございました。