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まだまだ判らぬ米大統領選の行方

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バイデン候補当確は本当か

日本のマスコミ報道では、次の米国大統領はバイデン氏でほぼ決まりの様ですが、本当でしょうか。

前回の大統領選では、ヒラリー候補が勝利すると予測していましたが、蓋を開ければトランプ大統領の勝利に終わりました。

同じ過ちを繰り返すのではと思ってしまいますが、今回はどうでしょうか。

バイデン候補は少なくとも二つの障害を乗り越える必要がありそうです。

一つ目はトランプ大統領とのテレビ討論会です。

米紙ウォールストリートジャーナル「Will Joe Bien Duck the Debates?」(バイデン候補は討論会に出席しないのか。)とのタイトルでバイデン候補の巣ごもり作戦を批判しています。

今日はこの記事をは取り上げたいと思います。 

ウォールストリートジャーナル記事要約

大統領選のテレビ討論会は、ニクソン候補が出席した1960年の第一回討論会から、自由世界のリーダーを目指す候補者たちに冷や汗をかかせてきました。

今回も9月29日を皮切りに三回の討論会が予定されていますが、バイデン候補が口下手である事や世論調査で十分リードが確保されている事から、討論会をキャンセルしようとの動きがバイデン陣営にみられます。

過去に討論会の司会を務めたElizabeth Drew氏がニューヨークタイムスに寄稿し、「討論会はとっさの切り返しや気の利いた言い回しが評価されやすいので、大統領を選ぶ上で適切なプロセスではない。」と述べ、討論会をキャンセルする事を提言しました。 

討論会をキャンセルするのに今年ほどそぐわない年はありません。

ただでさえ、コロナ感染のために、政治集会は制限され、候補者の主張を聞くチャンスはありません。

討論会は国民にとって大統領候補の生の声を聞く数少ない機会なのです。

バイデン氏は大統領に当選すれば、78歳という史上最高齢で大統領に就任することになりますが、民主党予備選でも衰えが明らかになりました。

現在の英国の指導者がサッチャー氏であると言ったり、パリ協定は鄧小平と私が纏めたと自慢した事に関して、どの様に理解すれば良いのでしょうか。

政策に関する鋭い質問への受け答えを聞きながら、バイデン氏が討論会の圧力にどれだけ持ちこたえられるかを見る機会を有権者は与えられるべきでしょう。

バイデン氏が討論会を回避するようなら、側近たちが認知能力をめぐる疑念から同氏を守ろうとしているとの結論を有権者が出すのは当然です。

大統領候補の説明責任

ウォールストリートジャーナルの記事では取り上げられていませんでしたが、バイデン候補はこれ以外にも下記の様な失言を最近行って、周りをハラハラさせています。 

  1. 黒人有権者に向かって「あなたが、わたしかトランプ大統領かで迷う様なら、あなたは黒人ではない。」 
  2. 中南米系の支持者を前にして「黒人社会と違い、中南米社会は信じられないほど多様性がある。」

  バイデン氏の取り巻きは討論会への参加を回避すべく策を練っている様ですが、米国民が討論会のキャンセルを許すとはとても思えません。

米国大統領は世界で最も強力なリーダーですから、その地位、職務を全うするに足る人物かどうかを、国民はこの討論会で判断するのです。

これが米国の民主主義の原点だと思います。

私はトランプ大統領の肩を持つわけではありませんが、バイデン氏には、討論会で説明責任を果たした上で、大統領になって貰いたいと思います。

中国問題

バイデン氏にはもう一つ、乗り越えなければならない障害があります。

それは中国問題です。

コロナ感染が拡大してからというもの、米中関係は悪化の一途を辿っています。

トランプ大統領は良くも悪くも中国に関するメッセージを発信していますが、バイデン候補は、おそらく意図的に具体的な発言を控えています。

大統領候補としては、中国にどう向き合うか選挙の前に国民に対して明示する説明責任があります。

この点についてウォールストリートジャーナルは、バイデン候補に聞きたい質問として、次の5つを挙げています。

  1. 中国に対してトランプ大統領が課した関税を維持するのか
  2. 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に復帰するのか
  3. 南シナ海における中国の実効支配を撤回させる手があるとすれば、それは何か
  4. 民主主義を求める香港やウイグルの人たちに何かできることはあるのか
  5. ロシアと交渉する戦略核兵器削減交渉に中国を入れるべきか

バイデン氏は大統領候補として、上記の質問に対して回答する責任があります。

親中派というイメージを払拭する事に懸命な同氏ですが、テレビ討論会での回答次第では、支持者が離れていくことも十分考えられます。

 

まだまだ大統領選の行方はわかりません。

 

 

最後までお読み頂き、有り難うございました。