MIYOSHIN海外ニュース

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2022-01-01から1年間の記事一覧

ロシア弱体化を公の目標とした西側の危ない綱渡り

長期化する戦争 ロシアがウクライナに侵攻してから早2ヶ月が経過しましたが、一向に出口は見えません。 最近米国政府はウクライナ紛争に関する目的をウクライナをロシア侵攻から守る事からロシアを弱体化させる事にエスカレートさせて話題を呼びました。 こ…

MIYOSHIN海外ニュース発信中止のお知らせ

2020年の3月に始めたこのブログですが、今日で筆を置くこととします。 仕事が忙しくなってきて、ブログ作成の時間が確保出来なくなってしまいました。 振り返れば2年以上に亘り、毎日ブログを書き続けてきた訳ですが、最初はブログのテーマを見つけるのに苦…

マクロン大統領のプーチン外交は失敗だったか

マクロン大統領の対プーチン外交 フランスでは明日10日、大統領選挙が行われます。 現職のマクロン大統領が再選を果たすか否かが注目されていますが、ロシアのウクライナ侵攻が始まる前に、マクロン大統領がプーチン大統領を訪れて何度も外交交渉を行った事…

西側の金融制裁が高める人民元の需要

経済制裁の抜け道を探すロシア ロシアに対する経済制裁は日に日に厳しさを増している様ですが、ロシア人はこれに対抗手段を取ろうとしている様です。 仏紙Les Echosがこの点について「Guerre en Ukraine : frappées par les sanctions occidentales, les ent…

証券会社の外国人幹部逮捕を米国メディアはどう見るか

SMBC日興証券の事件 外国人のビジネスマンが日本で収監されたケースとしては、カルロス ゴーン氏がすぐに思い出されますが、最近SMBC日興証券の外国人トレーダーが逮捕されました。 今回の事件については日本のメディアでも大きく取り上げられていますが、外…

インド太平洋地域の国々が対ロシア制裁をためらう理由

非難決議と制裁を使い分ける国々 ロシアに対する制裁は世界的な広がりを見せている様に見えますが、国連でのロシア非難決議に反対或いは危険した国は40か国に上り、更に決議には賛成したものの、経済制裁には参加しない国はかなりの数に上りそうです。 この…

マクロンを猛烈に追い上げるマリールペン(仏大統領選)

右翼の候補者支持率高める フランスの大統領選挙が目前に迫ってきました。 現職のマクロン大統領が有利と言われてきましたが、最終局面に入って、右翼の国民戦線党首マリーヌ ル ペン女史が猛烈に追い上げていると報じられています。 この人、5年前の大統領…

新婚カップルの数が7年で半減した中国

中国のアキレス腱 中国の習近平主席は米国を抜いて世界最強の国になる事を目指している様ですが、多くの識者が指摘しているアキレス腱があります。 それは、中国の少子高齢化がもたらす弊害です。 この点について、中国の政府系英字紙である環球時報が興味深…

欧州が決める米中の覇権争い

EUと中国の首脳会談 今週金曜日に中国とEUのトップ会談がオンライン形式で行われる予定です。 ウクライナでの戦争が長期化する中、この会議はどの様な結果をもたらすでしょうか。 米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)がこの点について「The European Uni…

マリウポリ市民を海路脱出させようとするトルコ

トルコが提供する海の人道回廊 黒海に面するウクライナの港湾都市マリウポリは完全にロシア軍に包囲され、その陥落は時間の問題と見做されています。 多くの市民が市内に取り残されており、安全に外部に避難するための人道回廊がロシア、ウクライナ双方の合…

円安の功罪

悪いインフレ 日本の多くの人は円高に悩みこそすれ、円安に悩んだ事はあまり無いはずです。 第二次大戦直後は固定為替レートの下、貧しい日本人は海外旅行もままならず、当時米国に留学した日本人学生たちは爪に火を灯す様な生活を強いられたと聞いています…

漁夫の利を得るインド

中立ポジションをとるインド 今回のウクライナへのロシア侵攻から漁夫の利を得るのは誰でしょうか。 それはインドであるとする論文が米誌Foreign Policyに掲載されました。 「For India, Putin’s War Starts to Look Like a Gift」(インドにとって贈り物の…

意外に効いていない西側の経済制裁

ロシアの耐久力 西側はかってない厳しい経済制裁をロシアに対して課しました。 その中にはSWIFTと呼ばれる国際的ドル送金システムからロシアの主要銀行を排除するという荒療治も含まれていました。 現在、この経済制裁はどの程度効いているのでしょうか。 英…

欧州からアジアに回帰するロシア

中国、インドとの関係を深めるロシア ロシアはヨーロッパなのかアジアなのかどちらでしょうか。 これはなかなか難しい問いです。 モスクワなど大都市を見ると、欧州に近く感じますが、ロシアは世界最大の国です。 その中にはタタール人等アジア系の人も多く…

(速報)イスタンブールにおける和平会議

トルコ新聞第一報を伝える 注目を集めるロシア - ウクライナ両国の和平会議が本日、トルコのイスタンブールで行われました。 オスマン帝国時代の宮殿であるドルマバフチェ宮殿で行われた両国代表団の会合について、第一報がトルコの大手紙Hürriyetによって発…

波紋を広げるバイデン 大統領の失言

ロシアに体制変更を求めたバイデン 大統領 バイデン大統領の「プーチンは権力にとどまる事は出来ない」との発言が米国内外で波紋を呼んでいます。 この発言は当初の演説原稿にはなかった模様ですが、翌日ブリンケン国務長官が「大統領の発言は体制変更を求め…

石油増産に応じないサウジの思惑

米国の要請に応じないサウジ ロシアのウクライナ侵攻が引き起こした影響として、エネルギー価格の高騰そしてロシアへのエネルギー依存度を低下させようとの動きが挙げられます。 しかしいずれもそれほど簡単な仕事ではなさそうです。 というのもロシア以外の…

再認識されるトルコの重要性とウクライナ紛争における役割

和平調停へ動くトルコ ウクライナの戦争は1ヶ月が経ちましたが、出口が見えません。 ゼレンスキー大統領はプーチン大統領に直接交渉を呼びかけていますが、後者はこれに応えません。 誰が和平の調停を行えるのでしょうか。その適格者は多くありません。何故…

西側とは全く異なる見方を示す中国メディア

中国の欧米への批判 ロシアがウクライナに侵攻してから1ヶ月が過ぎましたが、戦争は膠着状態に陥っている様です。 中国はロシアを支援している様ですが、ロシアに対する制裁の火の粉が飛んでこない様に慎重な構えを見せている様です。 中国が現在の情勢をど…

1930年代ファシスト国家への制裁から得られる教訓

ロシアを驚かせた西側の団結 ロシアのウクライナ侵攻に対して、西側は一気にロシアに対する経済制裁を纏め上げました。 西側諸国の一致した動きは、ロシアにとっても予想外だったと思われます。 この経済制裁はロシアにとって当然のことながら大きなインパク…

ボーイングの復活に暗雲

世界最大の航空機市場 ウクライナの戦争に関するニュースの影に隠れ、あまり大きく取り上げられませんでしたが、中国におけるボーイング737型機の墜落は衝撃的でした。 ボーイングのこの小型機は、筆者がこれまで最も多く乗った飛行機であり、その信頼性と適…

米国の対ロシア戦略は中国にも通用するか

東南アジアの視点 今回のウクライナ侵攻を世界各国の人々はどの様に見ているでしょうか。 欧米のメディアだけを見ていては、バランスを欠きます。 今回の戦争が台湾問題にも大きな影響を与えるという観点から、東南アジアの人々がどの様に感じているかを知る…

トルコのロシアに対する切り札 - ボスポラス海峡封鎖

精力的に仲介を図るトルコ ロシア、ウクライナ戦争の停戦合意に向け、トルコ政府は奔走している様です。 この点について、先日英誌Economistの記事を取り上げましたが、今日はトルコのDaily News(トルコの英字紙)の 「Convergence observed in positions o…

中国の世界戦略にも影響を与えるウクライナ危機

中国の動向 ウクライナ危機に大きな影響を与えた国の一つはドイツですが、勿論中国が今後どの様に動くかも重要です。 この点について、英誌Economistが「The war in Ukraine will determine how China sees the world」(中国が世界をどの様に見るかを決定づ…

眠れる巨人ドイツ覚醒か

潮目を作ったドイツ首相 今回のウクライナ紛争において潮目があったとすると、それはドイツのショルツ首相がプーチン氏に三下り半を突きつけた時ではなかったかと思います。 それまでドイツは米国の強い要請にもかかわらず、ノルドストリーム2(ロシアとド…

調停に乗り出したトルコ

ロシアに一目置かれるトルコ 先日、トルコのリゾート地アンタルヤでロシア・ウクライナ外相会談がトルコのアレンジの下行われましたが、昨日プーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と電話会談を行った様です。 この会談について、英国のBBCが一報を報じま…

西側がニッケルを制裁対象にできない訳

制裁対象から外れた金属 欧米はロシアに対して厳しい経済制裁を課していますが、制裁対象となっていない重要な金属資源があります。 それはニッケルです。 ニッケルは電気自動車のバッテリーの重要な構成要素であり、それが理由で対象から外れている訳です。…

ロシア原油を人民元建てで購入しようとするインド

したたかなインド 先日のブログでもご紹介した通り、インドは中国と同じく、国連でのウクライナ侵攻非難決議を棄権しました。 インドはクワッドの一員で西側の同盟国ではないかとおっしゃる方もおられるかも知れませんが、この国は一筋縄ではいきません。 歴…

ロシアに賭けるか習近平の判断は

中国の判断は如何に ウクライナでの戦闘は更に拡大しています。 この戦闘の帰趨を決するのは中国がロシアを支援するか否かにかかっている様です。 この点について英誌Economistが「Xi Jinping places a bet on Russia」(ロシアに賭ける習近平)と題した記事…

ロシア国民に対する厳しい経済制裁は逆効果か

ロシア国民に対する厳しい制裁 西側のロシアに対する経済制裁はかなり厳しいものがあります。 この様な制裁は、当然の事ながらロシア国民全体に対する制裁となります。 この点について米誌Foreing Affairsが「Why Strangling Russia’s Economy Could Backfir…