MIYOSHIN海外ニュース

世界の役立つ情報をわかりやすくお伝えします。

世の中

米露を天秤にかけるインドのしたたかさ

簡単には転ばないインド 中国とインドは国境紛争をきっかけに関係が悪化し、インドは米国との安全保障上の取り組みクワッドに参加する決断を行ました。 印中の関係悪化を機と見て、米国がインドを取り込んだ格好ですが、インドはもともと非同盟を掲げて、冷…

米国は常に民主主義のモデルになりうるか

欧米の間に吹く隙間風 欧州は米国にとって最も重要なパートナーです。 この関係は、冷戦時代に旧ソ連の脅威に協力して対抗し、ベルリンの壁を崩壊させた事によって最高潮に達しました。 しかし、最近の関係はかなりギクシャクしています。 トランプ時代には…

オミクロンの経済に与える影響

コロナ対策と経済復興はトレードオフの関係 新しい変異株オミクロンの発生は、世界中に感染が広がるのではとの恐れを引き起こしていますが、懸念されるのは人命への影響だけではありません。 経済への影響も大きな懸念材料です。 各国ともコロナ対策の中、ど…

中国のアフリカ進出に変化が

先行した中国のアフリカ進出 アフリカへの中国進出については、他の地域でも中国が推進しているインフラ建設がアフリカでも盛んに行われてきました。 しかし、ここにきて中国側のアフリカ戦略に変化が見られる様です。 英誌Economistに「Africa’s ties to Ch…

ワクチン生みの親BioNTech社社長が語るオミクロン

急速に広がるオミクロン 新しい変異株のオミクロンは日本でも見つかった様ですが、どの国も水際対策を強化している様です。 いまだに得体が知れないオミクロンについて意見を求めるとすれば、MRNA技術を使ってファイザーと共にワクチンをいち早く開発したBio…

オミクロン変異株の出現が教えてくれた事

国境封鎖に走る先進国 オミクロン変異株の発生を受け、我が国やイスラエルなどは当面外国人の入国を禁ずる措置を講じました。 ウイルスはある確率で突然変異を繰り返します。 世界にウイルスが存在する限り、変異株は新たに生まれる可能性があります。 この…

子供を甘やかす米国は中国に勝てるか

米中対立 米中の対立は今後も長く続きそうです。 最後にどちらが勝つかという点に関して、欧米のメディアは実に多くの論文や記事を掲載しています。 その多くは中国には創造性を育む自由な環境がないので、最後は米国が勝つと予想していますが、本当にそうな…

現代資本主義の問題を象徴するボーイング墜落事故

空の巨人ボーイングが犯したミス 2018年と2019年に2機が相次いで墜落したボーイング最新型B737の事故は記憶に新しいところですが、この事故に関して英誌Economistが「A new book explains the tragic failure of Boeing’s 737 MAX」(ボーイング737MAXの悲劇…

新変異株オミクロンにどう対処するか

新変異株の出現 南アフリカで新たな変異株が発見され、オミクロンと命名されました。 この変異株に関する研究結果は未だにどの政府も入手していませんが、欧州を初めとして多くの国(我が国を含む)が南アフリカからの渡航を禁止しました。 この様な素早い決…

欧州で再燃するコロナ感染から学ぶ事

コロナ感染拡大の理由は何か 新型コロナ感染は未だに収まりません。 欧州では冬の到来とともに感染が再拡大し、ドイツを筆頭に多くの感染者と死者を出しています。 ワクチンの接種率も高く、医療システムも完備している欧州で感染拡大が進む理由は何か、効果…

来年注目すべき新テクノロジー

新しいワクチンが世界を救った 世の中の進歩は主に科学技術の発展によって実現されています。 昨年から世界中で猛威を振るった新型コロナに対するメッセンジャーRNA(MRNA)技術に基づくワクチンがなかったらどうなっていたでしょうか。 MRNAワクチンの様な革…

「帝国の墓場」アフガニスタンで中国が直面する難問

米国が抜けた空白を誰が埋めるのか 20年もの間続いた米国のアフガニスタン駐留は漸く終わりを告げました。 米軍撤退後生じる空白は誰が埋めるのでしょうか。 中国は細い回廊を通じてアフガニスタンと国境を接しており、しかもアフガニスタンが電池の材料であ…

アフリカの資源に群がる中国に対抗するには

中国の動きがわかるメディア 中国の海外向け報道機関である「環球時報」には、時々おやと思う様な記事が掲載されているので、目を離すことができません。 今回同紙に「Five Chinese kidnapped in armed attack on Congo mine: Embassy」(コンゴ鉱山への武力…

ドイツ新政権アメリカの核配備に反対か

連立政権近々誕生 ドイツの連立政権樹立に向けての交渉は、早ければ12月初めに社会民主党、自由民主党、緑の党が合意に達すると見られています。 ドイツはNATOのメンバーであり、アメリカの核弾頭が国内に配備されていますが、ドイツの新政権はひょっとする…

メタバースとは何 - Facebookが社名を変えた理由

社名を変えたフェイスブック フェイスブックのザッカーバーグ氏が社名を聴き慣れたFacebookからMetaに変更すると発表した時、Metaとは何だと思った人が多かったと思います。 私もその一人です。Metaをウィキペディアで調べると「​​メタヴァース は、SF作家・…

原子力発電がCOP26で見直された理由

フランス小型原発を提唱 英国グラスゴーで行われていた世界環境会議COP26が閉幕しました。 石炭火力の扱いに関して、最後まで紛糾し、結局「削減を加速化させる」という文言で関係国が同意したと伝えられています。 この会議は完全な成功とは言えないまでも…

来年は終焉するか新型コロナ

気がかりなドイツの感染拡大 我が国では嘘の様に新規感染者の数が激減していますが、欧州では第六波の襲来で感染者数が増大しています。 既に国民の6割がワクチン接種済みのドイツの感染者数が増えている事は気がかりです。 そんな中、英誌Economistが「​​C…

鍵を握る国インドに必要なもの

重要性を増すインド 米中対立の構図が深まる中で、米国が最も注目しているのはどの国でしょうか。 もちろん我が国は東アジアにおいて重要ですが、それはインドではないかと思います。 インドは昨年、ヒマラヤの国境地帯において中国と激しい武力紛争を起こし…

フランスでドナルド トランプと呼ばれる男

ポピュリストの台頭 フランスでは来年4月に大統領選が行われます。 おおよその予測は決選投票で現職のマクロン大統領と保守強硬派ル ベン氏の一騎討ちというものでしたが、ここにきて様相が変わってきている様です。 エリック ゼムールというジャーナリスト…

英米メディアの主張が常に正しいわけではない - 意図的なキャンペーン

英国メディアにご用心 英国という国は、国のサイズの割に国際的な影響力が大きい事で知られます。 それは米国に最も近い同盟国である事とか国際的な名声を得ているメディアの影響力等が背景としてあるものと推測されます。 私もBBCやEconomist、Financial Ti…

来年の10のトレンド

来年はどんな年に? 来年2022年はどんな年になるでしょうか。 英誌Economistが「​​Ten trends to watch in the coming year」(来年注目すべき10のトレンド)と題して記事を掲載しました。 かいつまんでご紹介したいと思います。 Economist記事要約 2021年は…

ドイツの経済発展を支えたトルコ系移民が抱える問題

ドイツに住む3百万人ものトルコ系移民 トルコ系移民がドイツに多い事はご存知の通りですが、これは第二次世界大戦直後、高度経済成長期にあった西ドイツが大量の未熟練労働者をトルコから呼び寄せた事に起因しています。 その多くはドイツに定着し、三世代…

サマータイムは必要か

サマータイムが引き起こす悲喜劇 サマータイムという制度は我が国には導入されていませんが、長く欧州やトルコに住んだ私にとっては頭痛の種でした。 夏時間や冬時間に切り替わる日というのは要注意です。 始業時間に遅れて上司に怒られるなんてのはいい方で…

天然ガスで潤うノルウェーがアフリカでの天然ガス開発を阻止する訳

地球温暖化の裏事情 物事には表と裏があります。気候変動を巡る議論にも当然それがあります。 既に経済発展を遂げた先進国はこれ以上の地球温暖化は地球に壊滅的な影響を与えるとして、発展途上国にもこれ以上の化石燃料の使用を控える様に求めています。 こ…

20年で3.5倍になったダウ平均

36,000ドルの大台突破 ダウ平均は先日36,000ドルの大台を突破しました。 今から約22年前の1999年10月にダウが36,000ドルに達する事を予測した書が、現在話題になっている様です。 彼らが予測した時期のダウ価格はなんと10,000ドルを若干上回る程度でした。 2…

韓国のイメージを一変させた文化輸出

韓国ブームの広がり Netflixで爆発的なヒットを記録している「イカゲーム」については、先日このブログでもご紹介しましたが、このドラマは韓国が最近成功している文化輸出の一つに過ぎません。 今や韓国ブームは世界中に広がっており、トルコの友人なども「…

ワクチンパスポートの普及を阻むもの

先行したEU ワクチンパスポートがEUでは使われ始めました。 フランスやイタリアでは、空港のみならずレストランなどに入るのにも使用されている様です。 このワクチンパスポートが一気に世界中に広まると期待していたのですが、その普及には様々な障害がある…

サムスン財閥第三世代が打った大きな賭け

韓国の星 - サムスン サムスン電子は言わずとしれた韓国最大の企業ですが、その時価総額は今や日本で最大のトヨタ自動車の2倍以上です。 この会社はスマートフォンで世界最大のメーカーですが、しかしその製品群の中で最も高い価値を持つのは半導体事業であ…

フランス大統領選における原子力論争

主要な争点:原子力 フランスは来年4月の大統領選挙に向けて論戦が始まっています。 移民政策などと並んで、原子力が重要な争点になっている様です。 この問題について仏紙Les Echosが主な候補者の主張を「Le nucléaire, sujet surprise et clivant de la ca…

リアルタイムデータが変える世界

デジタル化の流れ 我が国でも政府がデジタル庁の設立を唱えたりするなど、社会のデジタル化が始まっていますが、これはもちろん世界的な潮流です。 新型コロナの感染はこの動きをむしろ早めた様です。 デジタル化はリアルタイムでデータを入手する事を可能に…